Allison Lampert Gabriel Araujo Valerie Insinna
[サンパウロ/モントリオール 29日 ロイター] - ロシア当局は民間軍事会社ワグネル創設者のエフゲニー・プリゴジン氏が死亡した航空機墜落を巡り、ブラジル航空当局に対して国際ルールに基づく調査を現時点で実施する予定はないと通告した。ブラジル当局が29日、ロイターに明らかにした。
ブラジル製のエンブラエルのジェット機は先週、モスクワの北方で墜落し、プリゴジン氏を含む10人の搭乗者が死亡した。
ブラジルの航空事故調査予防センター(CENIPA)は、国際ルールの下で調査が行われれば参加する用意があるとしていた。
ロシア航空当局はCENIPAを調査に参加させる義務はない。ただ安全性で高い実績がある「エンブラエル・レガシー600」が墜落したことで、クレムリン(ロシア大統領府)の関与を疑う声も上がる中、専門家らはロシアは国際的な調査に応じるべきとの考えを示している。
国連の専門機関、国際民間航空機関(ICAO)によると、問題のフライトはモスクワ発サンクトペテルブルク行きの国内便であるため、航空機事故調査の国際標準である「アネックス13」は適用されない。
CENIPAによると、国際ルールに基づく調査を行うかどうかロシアに電子メールで先週問い合わせたところ、ロシアの航空当局から29日に、アネックス13による調査を行う予定は現時点ではないとの回答があったという。
米国の航空安全コンサルタントで、元調査員のジョン・コックス氏は、航空機が製造されたブラジルが参加せず、ロシアが内部で調査した場合、調査結果には常に疑問符が付くと指摘。ロシアが国際ルールに基づく調査を行わないことは「非常に悲しいことで、調査の透明性を損ねる」と述べた。
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