Ritsuko Shimizu Shinichi Uchida
[東京 31日 ロイター] - セブン&アイ・ホールディングスは31日、百貨店のそごう・西武を米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループに9月1日付で売却すると正式に発表した。売却の決定が長引く中、そごう・西武の企業価値を300億円減額。保有する債権も一部放棄する。
同日開いた臨時取締役会で決議した。不採算事業の百貨店子会社を切り離し、コンビニ事業に経営資源を集中する。
フォートレスは西武池袋本店を含め複数の店舗に200億円以上を投じ、改装と設備投資を進める。家電量販店ヨドバシホールディングスと連携し、ヨドバシカメラの誘致を検討する。
セブン&アイHDは昨年11月にそごう・西武をフォートレスへ売却する契約を締結。当初2月1日としていた売却予定日を3月中に延期したが調整は難航し、無期限で延期していた。
東京・豊島区にある西武池袋本店の改装を巡り、ヨドバシカメラが出店する計画に地元が反対、さらに従業員が雇用の維持と事業の継続を求めて早期売却に反発していた。
当初の売却契約では企業価値を2500億円としていたが、雇用の維持などを配慮した改装など事業計画の見直しをフォートレスに要請した結果、300億円減額したとしている。
また、セブン&アイは子会社が保有するそごう・西武に対する貸付金約1659億円のうち、約916億円を債権放棄することも決めた。
そごう・西武の労働組合はこの日、西武池袋本店でストライキを決行している。休業した同店は、9月1日からフォートレスに経営権が移る。
フォートレスは同日午後、「そごう・西武の事業継続を実現することに尽力し、最大限の雇用維持に向け、セブン&アイとともにそごう・西武の経営陣を支援していく」などとする在日代表のコメントを発表した。
(清水律子、内田慎一 編集:久保信博)