Noele Illien John Revill
[チューリヒ １２日 ロイター] - スイス金融大手ジュリアス・ベアのフィリップ・リッケンバッハー最高経営責任者（ＣＥＯ）は１２日、同社が今後１０年以内に運用資産１兆ドルの富裕層向け資産管理会社になるのを妨げるものはないと述べた。ＬＳＥＧとロイター・ニュースメーカーがチューリヒで開いたイベントでの発言。
リッケンバッハー氏はジュリアス・ベアの運用資産規模が２０３０年代に２倍の１兆スイスフラン（１兆１２００億ドル）に達するとの見通しを示した。達成の時期を明示したり、この数字を具体的な目標とすることは避けた。しかし１兆スイスフランは「考えた上のハードル」だと述べ、事業買収などを伴わない、内部資源の活用による成長が主な原動力になるとの見方を示した。
同氏は「われわれは成長企業だ。過去１０年間にそのことを証明してきたし、長期的視野に立てば、世界の成長市場でさらに規模を拡大することを妨げるものはない」と言い切った。
一方、足元で米国を取り巻く不確実性や、欧州の景気後退、中国経済の減速への懸念から、多くの顧客が現金を手放さない状況にあると指摘。「今のところ投資家は資本市場に投資する傾向が少し弱まっている」と警戒感も示した。