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インテージホールディングスはNTTドコモによるTOB価格にサヤ寄せする形で高値更新

発行済 2023-10-02 09:59
更新済 2023-10-02 10:05
© Reuters.  インテージホールディングスはNTTドコモによるTOB価格にサヤ寄せする形で高値更新

[日本インタビュ新聞社] - インテージホールディングス<4326>(東証プライム)は市場調査事業を主力としてシステムソリューション分野や医薬情報分野にも展開している。Date+Technology企業として販促最適化への新たな価値を創出することや、社会的課題解決に向けた行政EBPM推進への価値を創出することを目指している。24年6月期は消費財メーカーを中心とする市況環境復調や成長戦略推進により営業・経常増益予想としている。なおNTTドコモによるTOB(23年9月7日~10月16日)に関して、9月6日に賛同の意見を表明するとともに、資本業務提携契約を締結した。TOB成立後はNTTドコモの連結子会社となるが、プライム市場における上場は維持される方針としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価はTOB価格(2400円)にサヤ寄せする形で高値を更新した。上値を試す展開を期待したい。なお11月8日に24年6月期第1四半期決算発表を予定している。

■国内首位の市場調査が主力

子会社インテージのSCI(全国個人消費者パネル調査)やi-SSP(インテージシングルソースパネル)など、国内首位・世界10位(GRBN 2018 Global Top25 Report)の市場調査事業を主力として、システムソリューション分野や医薬情報分野にも展開している。

なおNTTドコモによるTOB(23年9月7日~10月16日)に関して、9月6日に賛同の意見を表明するとともに、資本業務提携契約を締結した。TOB成立後はNTTドコモの連結子会社となるが、プライム市場における上場は維持される方針としている。

セグメント区分は消費財・サービス分野のマーケティング支援、ヘルスケア分野のマーケティング支援、ITソリューション分野のビジネスインテリジェンスとしている。23年6月期のセグメント別構成比は売上高が消費財・サービス分野のマーケティング支援65%、ヘルスケア分野のマーケティング支援23%、ビジネスインテリジェンス12%、営業利益が消費財・サービス分野のマーケティング支援43%、ヘルスケア分野のマーケティング支援47%、ビジネスインテリジェンス9%だった。

消費財・サービス分野のマーケティング支援では、データサービスやカスタムリサーチなどを展開している。独自収集した各種パネル調査やカスタムリサーチから得られたデータを基に、高度なリサーチ技術やデータ解析力を駆使して、消費財メーカーを中心に企業のマーケティング活動をトータルサポートしている。主な事業会社はインテージ、インテージリサーチ、海外子会社、21年5月に子会社化したリサーチ・アンド・イノベーション(RNI)などである。

21年11月には、子会社インテージとインティメート・マージャー<7072>の業務提携(21年10月)を強固にすることを目的として、インティメート・マージャーと資本提携した。

ヘルスケア分野のマーケティング支援では、一般用医薬品・医療用医薬品の市場調査、製薬企業からの委託によるデータマネジメント・解析業務、医薬品開発をサポートするCRO業務などを展開している。事業会社はインテージヘルスケアの直下に協和企画、インテージリアルワールド(医療情報総合研究所が21年7月1日付で社名変更)、プラメド、Plamed Koreaの4社を置く体制としている。

22年8月にはインテージヘルスケアと岡山大学が悪性腫瘍をはじめとする難治性疾患治療薬開発プロジェクトとして、AI創薬プラットフォーム「Deep Quartet(ディープカルテット)」を活用した新薬開発の共同研究を開始した。22年12月にはインテージヘルスケアがAI創薬アカデミックプログラム(IAAP)を開始した。AI創薬プラットフォーム「Deep Quartet」などの新規化合物を得るサービスを活用し、アカデミアとの共同研究プログラムを開始する。23年2月にはインテージヘルスケアと広島大学がAI創薬によるペプチド擬態化合物の共同研究を開始、インテージヘルスケアと名古屋大学がAI創薬による胃酸抑制剤の共同開発を開始した。

ビジネスインテリジェンスでは、ソフトウェア開発やシステム構築・運用などを展開している。事業会社はインテージテクノスフィア、ビルドシステム、エヌ・エス・ケイなどである。

22年12月にはインテージテクノスフィアが、クラウド型健康管理システム「すこやかサポート21」の豊富な機能の中から利用頻度の高い機能だけを厳選したライトプラン「すこやかサポート21 Light」提供開始した。23年2月にはインテージテクノスフィアが、APAC(アジア太平洋地域)で発行されているITビジネス誌APAC CIO OutlookにおいてTop10 BI and Analytics Solution Providers in APAC2022賞を受賞した。

海外事業に関しては、23年1月に連結子会社CSG香港の株式譲渡および特別目的会社IAHの清算を発表した。市場環境の変化に対応してアジアにおける事業展開の役割を本社へ移管するとともに、中国市場への事業展開は英徳知市場諮詢(上海)有限公司を中心に推進する方針に変更した。

■第14次中期経営計画

第14次中期経営計画(24年6月期~26年6月期)では、Date+Technology企業として、販促最適化への新たな価値を創出することや、社会的課題解決に向けた行政EBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング、証拠に基づく政策立案)推進への価値を創出することを目指し、目標値には最終年度26年6月期の売上高735億円、営業利益60億円、一人当たり利益(=(営業利益+投資)/人員数)GAGR12%、ROE(自己資本利益率)12%などを掲げている。

利益改善については、各セグメントの売上増加、販売価格の最適化、生産性向上などに加えて、SCI刷新によるコストイノベーションや新旧SCIのダブルランコストの解消を見込んでいる。配当方針については、第14次中期経営計画期間中の配当は累進的とし、26年6月期の配当性向を従来の40%から50%に引き上げるとしている。

消費財・サービス分野のマーケティング支援では、リサーチにとどまらず販促・広告市場においても新しい価値創出を目指す新たなプラットフォームとして、子会社のリサーチ・アンド・イノベーション(RNI)が持つ特許を活用し、CXマーケティングプラットフォームの開発を推進する。第1ステップはRNIのプロダクトにインテージの事業資産を組み込んでマネタイズを加速、第2ステップはRNI特許を活用してSCIをリニューアル、第3ステップはSCI-CODE一体活用によるCXマーケティングプラットフォームの確立(提供ツールを開発してリサーチと広告・販促の一気通貫サービスを提供)を目指す方針としている。

なおINTAGE Open Innovation Fund(SBIインベストメントと共同設立)は、パーソナルAI「al+」開発のオルツ、WEBリサーチのリサーチ・アンド・イノベーション、IoTデータ流通プラットフォームの米EverySense、訪日外国人向けショッピングサポートアプリ「Payke」のPaykeなどに投資している。23年6月には、一人ひとりに合わせて行動を促す個別化エンジン「Nudge AI」を開発するGodotに出資した。投資先のIPO実績としてはAI CROSS<4476>、QDレーザ<6613>、メンタルヘルステクノロジーズ<9218>がある。23年8月現在の投資実績は26社、合計約26.5億円となっている。

サステナビリティ経営に関しては、23年度からサステナビリティ委員会を設置して取り組みを強化している。

■24年6月期営業・経常増益予想

24年6月期連結業績予想は売上高が23年6月期比5.1%増の645億円、営業利益が5.7%増の40億円、経常利益が5.6%増の43億円、親会社株主帰属当期純利益が14.4%減の30億円としている。配当予想は23年6月期比1円増配の43円(期末一括)としている。予想配当性向は54.6%となる。

セグメント別の計画としては、マーケティング支援(消費財・サービス)事業の売上高が4.1%増の418億円で営業利益が3.5%増の17億円、マーケティング支援(ヘルスケア)事業の売上高が6.0%増の150億円で営業利益が6.1%増の19億円、ビジネスインテリジェンス事業の売上高が8.8%増の77億円で営業利益が14.3%増の4億円としている。

親会社株主帰属当期純利益は前期に税金費用が減少していた反動で減益予想だが、消費財メーカーを中心とする市況環境復調や成長戦略推進により営業・経常増益予想としている。NTTドコモとの資本業務提携の効果なども期待され、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待は毎年12月末の株主対象

株主優待制度は、毎年12月31日現在の1単元(100株)以上保有株主を対象として実施(詳細は会社HP参照)している。

■株価はNTTドコモによるTOB価格にサヤ寄せする形で高値更新

株価はNTTドコモによるTOB価格(2400円)にサヤ寄せする形で高値を更新した。上値を試す展開を期待したい。9月29日の終値は2236円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS78円80銭で算出)は約28倍、今期予想配当利回り(会社予想の43円で算出)は約1.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS808円17銭で算出)は約2.8倍、そして時価総額は約904億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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