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はてな Research Memo(3):高い技術力を強みに法人向けサービスへと事業領域を拡大(2)

発行済 2023-10-05 15:03
更新済 2023-10-05 15:15
© Reuters.
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*15:03JST はてな Research Memo(3):高い技術力を強みに法人向けサービスへと事業領域を拡大(2) ■はてな (TYO:3930)の事業概要

3. テクノロジーソリューションサービス
UGCサービスで蓄積したサービス開発力やITインフラ構築力等を生かして、企業のオウンドメディアをスクラッチで開発・構築する受託サービスや、顧客企業が利用するクラウド環境やデータセンター環境のサーバーを監視するツールをSaaSで提供するサーバー監視サービス(クラウド支援サービス)を展開している。


(1) 受託サービス
出版業を中心とする顧客向けに、ブラウザやアプリでマンガ・小説などを閲覧・購読できるサービスや、一般ユーザーが投稿できるサービスの開発・運用を受託している。
なかでも、マンガビューワとして2014年より提供を開始した「GigaViewer」は順調に導入が進んでいる。
2023年7月期末時点で15社、21メディア(Web版20メディア、アプリ版1メディア)で利用されており、Web版マンガビューワとしてはデファクトスタンダードとなっている。
また、開発・導入実績としては、任天堂 (TYO:7974)の「イカリング2」、「スマプラス」、「イカリング3※1」のほか、KADOKAWA (TYO:9468)の「カクヨム」※2などがある。


※1 「イカリング3」は2022年9月にリリースされた任天堂ゲームソフト『スプラトゥーン3』をより快適に楽しめる機能を備えたゲーム連動サービスで、スマートフォンアプリ「Nintendo Switch Online」をダウンロードすることで利用できる。

※2 「カクヨム」は無料で小説を公開し、読むことができる小説投稿サイトで、2015年にKADOKAWAと同社が共同開発した。
新人作家発掘の場となっている。



同社の強みは、ユーザーによる投稿や閲覧行動を顧客企業のビジネスに生かすサービスを構想し実装に落とし込む企画力や、拡張性のある設計を迅速に実装できる開発力を有していること、また、サービスの規模が拡大しても表示速度等のパフォーマンスを落とすことなく、ローコスト運営を維持することが可能なITインフラの設計・構築・運営力を有していることにある。


(2) クラウド支援サービス
2014年よりクラウド支援サービスとして、サーバー監視サービス「Mackerel」の提供を開始している。
サーバーやアプリケーションサービスの稼働状況を、異なるクラウドサービスやデータセンターサービスであっても一元的に監視できるほか、使いやすいUIと効率的なAPI(Application Programming Interface)機能により簡単に導入・運用できることが特長となっている。
従来、企業は自社サーバーの監視に関しては自前で監視ツールを構築して運用することが多かったが、クラウドコンピューティング市場の普及拡大や技術進化、IT人材の不足を背景に、使い勝手の良い「Mackerel」等の専用ツールを導入する企業が増えてきている。


導入企業は、多くのサーバー運用が必要とされるインターネットサービス企業やゲーム制作企業、アドテク企業が多いが、エンタープライズ領域における利用も試行されている。
月額利用料が比較的安価な水準(月額1,833円から。
監視サーバー台数ごとに変動)で導入できるほか、監視業務の負担が大幅に軽減されることなどから、導入後の解約率は極めて低い。
主なクライアントは、サイバーエージェント (TYO:4751)、任天堂、クレディセゾン (TYO:8253)、GMOペパボ (TYO:3633)、メルカリ (TYO:4385)、グリー (TYO:3632)、KDDI (TYO:9433)、(株)NTTドコモ、ビッグローブ(株)等が挙げられ、導入実績は1,000社以上となっている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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