Scott Murdoch Xie Yu
[香港 10日 ロイター] - 中国不動産開発大手の碧桂園(カントリー・ガーデン)は10日、オフショアの支払い義務について、期限内または猶予期間内に全てを履行できない可能性があると明らかにした。
香港取引所への提出文書で「不払いにより、当グループの関連債権者が関連債務の支払い加速を要求したり、執行措置を求めたりする可能性がある」とした。
また、資産売却を巡り現在大きな不透明感に直面しており、「グループの流動性ポジションは短中期的に非常に逼迫した状況が続く見通し」と説明した。
碧桂園は109億6000万ドルのオフショア債と424億元(58億1000万ドル)相当の外貨建てローンを抱える。デフォルト(債務不履行)になれば債務再編が必要になり、同社やその資産は債権者によって清算される可能性がある。
同社は資本構成と流動性の状況を調査するため、フーリハン・ローキー、中国国際金融(CICC)、法律事務所シドレー・オースティンをアドバイザーに起用したと発表した。
モーニングスターのアナリスト、ジェフ・チャン氏は「碧桂園が債務不履行に陥るかどうかはオフショア債務再編の結果次第で、今後2週間が極めて重要になる」と指摘。「住宅購入者や金融機関は様子見を続ける可能性があり、同社の流動性が大幅に改善する見込みはない」と述べた。
9日は2024年と26年満期のドル建て債に対する6680万ドルの利払い期日だったが、30日間の猶予期間が設けられている。
同社は利払いを行ったかどうかに言及していない。特定の債券で4億7000万香港ドル(6004万ドル)の元本支払いを行わなかったとしたが、詳細は明らかにしなかった。
9月に期日が到来した1500万ドルの利払いを来週17日までにできなければ、オフショア社債でデフォルトに陥いることにもなる。
<オンショア債務再編>
碧桂園は10日、未払い元本147億元(20億2000万ドル)のオンショア債9本について、保有者から期間延長の承認を得たと発表した。
クレディサイトのアジア太平洋地域調査部門共同責任者、サンドラ・チャウ氏は「碧桂園の以前のモデルは持続可能ではなかった。債務負担を軽減し、事業規模を適切なものにしようとしている」と指摘。
再編では債務の満期返済延長、債券の表面利率引き下げ、資産売却の加速が検討されるだろうと述べた。
碧桂園は1─9月の不動産販売成約額が1549億8000万元と、前年同期比で約43.9%減少し、21年比では65.4%急減した。
同社は物件の引き渡しが同グループの「最も重要な企業責任かつ不動産市場保護の重要な柱」だとし、引き渡しに総力を挙げると表明した。