Arsheeya Bajwa Akash Sriram
[1日 ロイター] - 米半導体大手インテルとアドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)の最新業績は、パソコン(PC)市場の回復が勢いを増していることを一段と裏付ける内容だった。新型コロナウイルスのパンデミックに伴う需要拡大の反動に苦しんできた業界にとって朗報といえる。
両社の幹部ともPC市場の安定に言及し、PCと人工知能(AI)との融合が新たな成長の起爆剤になるとの見方を示した。
AMDのリサ・スー最高経営責任者(CEO)は「AIが動かせるPCの登場は、PC業界にとって転換点になる」と語り、来年にかけて一定の成長が期待できると付け加えた。
7─9月のAMDのPC関連事業は過去2年で最も高い増収率を記録。インテルの同事業の減収幅はここ8四半期で最も小さくなった。
インテルとAMDに投資しているボヤ・インベストメント・マネジメントのシニア・ポートフォリオマネジャー、ジャスティン・サムナー氏は、PC市場がリモートワークなどパンデミックに絡むあらゆる需要を大きく取り込んできたサイクルが底を打ち始めていて、在庫の刷新や市場の改善につながるはずだと指摘した。
在庫処分に取り組んでいるPCメーカーが心待ちにしているのは、年末商戦期やマイクロソフトによる来年の基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」の更新を控えて需要が上向く展開だ。
調査会社カナリスのデータからも、7─9月のPC出荷は減少ペースが鈍化し、年末商戦期にはプラス軌道に戻りそうなことが読み取れる。またカナリスは、AIが動かせるPCは2025年以降に普及スピードが増し、27年時点で全出荷PCの6割前後に達すると予想している。