Simon Jessop
[ロンドン 6日 ロイター] - 世界の大企業2000社の約半分が、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロとする目標を掲げているが、国連の厳しい基準を満たす目標はごく一部であることが、英オックスフォード大などで作る独立系データ分析組織、「ネットゼロ・トラッカー」が6日公表した報告書で明らかになった。
フォーブス誌が公開する世界大手企業「フォーブス2000」を構成する企業のうち、実質ゼロ目標を掲げるのは1003社と、昨年6月の702社から40%も増えた。1003社の売上高は合計約27兆ドルと、2000社総計の3分の2を占める。
しかし、国連が気候変動対策加速の取り組み「Race To Zero(レース・トゥ・ゼロ)」で示した基準に合致した目標を設定している企業はわずか4%だった。この基準には、全ての排出ガスを網羅すること、排出削減を直ちに開始すること、中間・長期目標に関する進展度合いを毎年報告することなどが盛り込まれている。
目標を設定した企業のうち、供給網全体の排出量「スコープ3」を盛り込んでいる企業は37%で、企業自らが削減できなかった温室効果ガスを植林などの活動で埋め合わせるカーボンオフセットの利用について、質的な閾値(いきち)を示している企業は13%にとどまった。