[8日 ロイター] - 米映画大手ワーナー・ブラザース・ディスカバリーは8日、ハリウッド俳優らのストライキと広告市場の低迷が2024年通期決算の業績を圧迫する可能性があると発表した。
同時に発表した23年第3・四半期決算の調整後中核利益は29億7000万ドルと、LSEGのデータに基づく市場予想の29億2000万ドルを上回った。映画「バービー」の大ヒットが寄与した。第3・四半期の売上高は99億8000万ドルで、予想と一致した。
ハリウッドの脚本家でつくる全米脚本家組合(WGA)は9月に映画大手との新たな3年契約で合意し、5月からの148日間に及んだストに終止符を打った。一方、米俳優組合(SAG─AFTRA)は7月からストを続けており、24年の映画大手の制作スケジュールを揺るがし、新たなコンテンツの販売機会を奪っている。
ワーナーのガンナー・ウィーデンフェルス最高財務責任者(CFO)は投資家向けの電話会議で、ストによる財務への打撃が24年まで長引く「現実的リスク」があるとし、「23年と同様に24年も複雑な状況が続くことが一層明らかになってきている」と指摘。その上で「この状況がいつ好転するかは分からない」と言及した。
デービッド・ザスラフ最高経営責任者(CEO)は、同社は過去数年間の中でオリジナルコンテンツが最も少なく、いくつかの作品公開を延期せざるを得なかったため第3・四半期のストリーミングサービスの加入者数が減ったと説明した。
ストリーミング部門の調整後中核損益は1億1100万ドルの黒字(前年同期は6億3400万ドルの赤字)。同部門の世界全体でのユーザー1人当たりの平均収入は6%増加した。
ネットワーク部門の広告収入は前年同期より12%減の17億1000万ドル。世界での紛争と高インフレを背景にマーケティング担当者にとって不確実な環境となっているのが響いた。