[ロサンゼルス 8日 ロイター] - 米メディア・娯楽大手ウォルト・ディズニーが8日発表した第4・四半期(9月30日まで)決算は、1株利益が市場予想を上回った。テレビ事業ABCの広告収入が低迷したものの、上海と香港のテーマークでの入場者増が寄与した。
引け後の時間外取引で、ディズニーの株価は3%上昇した。
特別項目を除く1株当たり利益が0.82ドルと、LSEGのまとめたアナリスト予想の0.70ドルを上回った。
売上高は212億ドルで、予想とおおむね一致した。
動画配信サービス「ディズニー+(プラス)」の契約者数は、約700万人増加した。ディズニー+と「ディズニー+・ホットスター」を合わせた契約者数は計1億5020万人と、ビジブル・アルファのまとめた予想の1億4740万人を上回った。
PPフォーサイトのアナリスト、パオロ・ペスカトーレ氏は、決算内容について「コンテンツに力を入れながら事業全体の効率化に総力を挙げた結果が表れている」と指摘。動画配信が中心となっている娯楽業界で、ディズニーに規模で劣る従来型の競合社と対照的な結果になったとした。
積極的にコスト削減を進めてきたボブ・アイガー最高経営責任者(CEO)は発表文で、過去1年間の大きな進展が業績に反映されたと説明。「修正の時期を脱して事業再構築に着手することが可能になった」と強調した。
同社は、年間で75億ドルのコスト削減を達成できる見込みだとした。
部門別では、「Hulu」などを含む動画配信サービス事業全体の損失が3億8700万ドルと、前年同期の14億7000万ドルから縮小。値上げや広告収入増が寄与した。2024年9月までに黒字化する見通しに変わりはないとした。
テーマパークやリゾート、クルーズ船などを含む事業の営業利益は、31%増の約18億ドル。上海ディズニー、香港ディズニーランド、ディズニーランド・リゾートでの入場者数の増加とクルーズ事業の成長が、米フロリダ州のウォルト・ディズニー・ワールドの業績低下を補った。
テレビ局や映画製作、動画配信を含むエンターテインメント部門は2億3600万ドルの営業利益となり、前年の6億0800万ドルの損失から黒字に転じた。
ケビン・ランズベリー暫定最高財務責任者(CFO)は、23年末までの復配を取締役会に求める考えを示した。