Patrick Wingrove
[フィラデルフィア 11日 ロイター] - デンマークの製薬大手ノボノルディスクの肥満症治療薬「ウゴービ」の心血管疾患の予防効果は、体重減少だけによるものではないことが、11日に米心臓協会(AHA)の会合で発表された臨床試験の新たなデータで明らかになった。
発表データは医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンにも掲載された。8月に公表した試験の初期データではウゴービが心臓発作、心臓病による脳卒中ないし死亡の発生を20%減少させることが示された。ウゴービは患者の体重を平均15%減少させることが分かっている。
研究者によると、ウゴービを投与した患者群とプラセボ(偽薬)を投与した患者群との心臓病リスクを調べたところ、治療開始直後に差が表れ始めた。
糖尿病ではないが心臓病の既往歴がある肥満患者を対象としたこの試験によると、ウゴービ投与群はプラセボ投与群と比べた発症リスクが、非致死性心臓発作で28%、非致死性脳卒中で7%、心臓病関連の死亡で15%それぞれ減少した。
ノボノルディスクは、心血管系への効果が最初に表れた時点で患者の体重は減り始めていなかったことを考えると、心臓病予防効果は純粋に体重減少の結果だけではないことが示されたと指摘した。