Caroline Valetkevitch
[ニューヨーク 13日 ロイター] - 米国株式市場はダウ工業株30種が昨年1月以来約2年ぶりに終値で過去最高値を更新した。S&P総合500種とナスダック総合も1%超値上がりし、今年の最高値を更新した。米連邦準備理事会(FRB)が利上げ終了を示唆し、来年に金利が低下し始めるという見通しを示したことが背景。
FRBは13日まで開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を予想通り5.25─5.50%で据え置いた。金利・経済見通しでは19人の政策担当者のうち17人が2024年末には政策金利が現在よりも低下するとの予想を示した。
主要3指数は横ばいで推移していたが、このニュースを受けて値を上げた。
パウエルFRB議長が会見で、追加利上げの可能性が低いことを示唆し、政策当局者は金利を過度に長期間にわたり高水準に維持するという過ちを犯さないことに非常に焦点を当てていると述べ、株価は急速に上げ幅を拡大した。
幅広い銘柄に買いが入り、S&P主要セクターは全てが上昇。金利動向に敏感な不動産と公益事業が3%超高と上げを主導した。小型株で構成するラッセル2000指数も3.5%上昇した。
ダウは最高値を更新したことで、昨年9月に直近高値から20%超下落して以降、強気相場が続いていたことが確認された。
年初来ではダウは11.9%高、S&Pは22.6%高、ナスダックは40.7%高。
グローバルト・インベストメンツのシニアポートフォリオマネジャー、トム・マーティン氏は「(FOMC)声明は、景気後退なしにインフレが正常に戻るという市場がすでに織り込み始めていたことをFRBが認識していることを示す」と指摘した。
LSEGのフェドウオッチによると、声明を受け、米金利先物市場が織り込む来年5月の利下げ確率は発表前の80%から90%に上昇した。
この日発表された11月の卸売物価指数(PPI)は前年同月比0.9%上昇と、10月の1.2%上昇から伸びが鈍化した。
個別銘柄では製薬大手ファイザーがトレンドに逆行し6.7%下落、10年ぶりの安値を付けた。24年の売上高見通しが市場予想を下回った。
米取引所の合算出来高は143億5000万株。直近20営業日の平均は110億4000万株。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を7.01対1の比率で上回った。ナスダックでも3.18対1で値上がり銘柄が多かった。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 37090.24 +512.30 +1.40 36601.80 37094.85 36523.59
前営業日終値 36577.94
ナスダック総合 14733.96 +200.57 +1.38 14555.68 14743.56 14517.53
前営業日終値 14533.40
S&P総合500種 4707.09 +63.39 +1.37 4646.20 4709.69 4643.23
前営業日終値 4643.70
ダウ輸送株20種 15615.86 +197.26 +1.28
ダウ公共株15種 907.18 +31.26 +3.57
フィラデルフィア半導体 3990.95 +60.77 +1.55
VIX指数 12.19 +0.12 +0.99
S&P一般消費財 1395.22 +18.62 +1.35
S&P素材 526.66 +6.23 +1.20
S&P工業 942.14 +10.63 +1.14
S&P主要消費財 760.76 +13.59 +1.82
S&P金融 616.93 +9.76 +1.61
S&P不動産 246.15 +8.50 +3.58
S&Pエネルギー 623.23 +7.69 +1.25
S&Pヘルスケア 1580.62 +28.33 +1.82
S&P通信サービス 237.02 +1.54 +0.65
S&P情報技術 3373.84 +29.77 +0.89
S&P公益事業 332.28 +11.91 +3.72
NYSE出来高 13.75億株
シカゴ日経先物3月限 ドル建て 32910 + 80 大阪比
シカゴ日経先物3月限 円建て 32840 + 10 大阪比