[ソウル 9日 ロイター] - 韓国サムスン電子は9日、2023年第4・四半期の営業利益が前年同期比35%減少するとの見通しを示した。アナリスト予想を大きく下回る内容となった。半導体価格は回復しているものの、テレビや家電を含む多くの事業で低迷が続いた。
営業利益は2兆8000億ウォン(21億3000万ドル)の見通し。前年同期は4兆3100億ウォンだった。サムスンは31日に詳細な決算を発表する。
LSEGがまとめた予想は3兆7000億ウォンだった。予想は下回ったが、ここ5四半期では最小の前年比減益率となった。
今年はメモリー半導体の回復が見込まれている。生産縮小を受けて第4・四半期に価格が回復しており、この傾向は継続するとみられている。
アナリストによると、半導体部門はDRAM事業が黒字転換したことでメモリー半導体の収益が改善し、第4・四半期の損失が第2・四半期(4兆3600億ウォン)と第3・四半期(3兆7500億ウォン)から減少する可能性が高いという。
調査会社トレンドフォースのデータによると、第4・四半期にモバイル端末向けDRAMチップの価格は推定18─23%、モバイル端末向けNAND型フラッシュメモリーチップの価格は10─15%、それぞれ上昇した。
ただ、アナリストはサムスン電子の第4・四半期営業利益が予想を下回ったことについて、半導体受託生産やモバイルプロセッサー、テレビ、家電といった事業が期待外れだったことが要因である可能性を指摘した。
BNKインベストメント・アンド・セキュリティーズのアナリストは「唯一改善したのはメモリーチップだが、これは中国のパソコン・モバイル端末メーカーがようやく自社の在庫を使い尽くし第4・四半期に補充を始めたためだ」と指摘。
「消費者の需要はまだ芳しくない。金利が引き下げられ、経済が刺激されない限り、あまり改善は見込めない」と語った。
モバイル事業では、主力の折りたたみ式2機種の出荷台数が第3・四半期に比べてそれぞれ約100万台減少し、利益が若干落ち込む可能性が高いとみられる。
サムスンは売上高について、前年比4.9%減の67兆ウォンになりそうだと明かした。