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テノックス Research Memo(6):上期減益も、受注が大きく伸びているため懸念は小さい

発行済 2024-01-18 13:46
更新済 2024-01-18 14:00
© Reuters.
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*13:46JST テノックス Research Memo(6):上期減益も、受注が大きく伸びているため懸念は小さい ■業績動向

1. 2024年3月期第2四半期の業績動向
テノックス (TYO:1905)の2024年3月期第2四半期の業績は、売上高9,729百万円(前年同期比14.3%増)、営業利益215百万円(同8.2%減)、経常利益247百万円(同6.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益195百万円(同5.8%減)と増収減益となった。
通期計画に対する各利益の進捗率は前年同期に比べてやや低いが、もとより下期偏重型の収益構造のうえ、受注高、受注残高ともに大きく伸びていることから通期計画達成への懸念は小さい。


日本経済は、新型コロナウイルス感染症が感染症法上の分類において2類相当から5類に移行したことなどを背景に、社会経済活動の正常化が進んで持ち直しつつある。
一方、長期化するウクライナ情勢や円安による物価高騰など、依然として先行きは不透明な状況が続いている。
建設業界においては、公共投資、民間設備投資ともに緩やかながら増加することが見込まれ、建設需要全体としては底堅く推移しつつあるが、鋼材やセメントなど建設資材価格の高止まりや現場従事者の慢性的な不足など多くの課題を抱えている。
今後、建設資材価格の動向や「2024年問題」による人件費の上昇、中国の景気減速や米国経済指標悪化による日本経済への影響は注視する必要があるだろう。
しかし、公共投資では国土の強靭化対策などが見込まれ、民間では半導体工場が好調、物流施設やデータセンターも底堅く、戸建て以外の環境が悪化する可能性は小さいと思われる。
基礎工事においても同様の環境だが、コロナ禍以降、戸建て住宅など小規模の基礎工事を行ってきた中小基礎業者が、ゼネコンの中小案件にも食い込んでくるようになったため、そうした案件では競争激化が続いている状況である。


このような状況のもと、同社は、中期経営計画で取り組んだ開発戦略の研究成果の実用化を進めることで企業価値の向上を図り、また、品質と安全管理を考慮しつつ積み上がった受注残高を消化することに注力した。
競争の激しい中小案件には、インセンティブ制度を活用して地方代理店の活性化を図ることで対処した。
この結果、TN-X工法の競争力が鋼材価格の高騰により低下し建築杭工事は減少したが、土木杭工事で前期に引き続き北海道新幹線延伸事業や関西インフラ関連などの大型物件が収益に寄与した。
地盤改良工事では半導体工場や物流施設などの大型物件が貢献したほか、個人消費や住宅投資が弱いと言われるベトナムでも自動車組立工場など案件が増え始めたため、売上高が大幅に増加した。
受注高と受注残高が大きく伸びているのは、北海道新幹線延伸事業の土木杭工事の大規模受注が入ったことが主因で、そのほかの受注も着実に伸びた。
また、鋼材価格の上昇が高水準とはいえ、止まってきたことで先高観が解消され、TN-X工法も徐々に引き合いが強まっているようだ。
高い靭性を有し、大きな地盤変位にも追従する鋼管杭の特性を生かすことで、基幹病院など大地震時が発生した場合の十分な対策(液状化や地盤応答変位)が必要な建築物には、鋼材価格の高低にかかわらず鋼管杭が利用されることが多い。


利益面では、大型の地盤改良工事に施工機を複数台投入して施工効率を高めたことなどにより工事採算が向上したが、こうした施工対応ができるのは同社を含め企業規模の大きい数社ほどしかないようだ。
しかしながら、土木杭工事と建築の地盤改良工事で不採算工事が発生したこと、建築杭工事で売上減に加え利益率が低下したこと、営業など人材強化のため人件費が増加したことなどから、営業利益は減益となった。
なお、不採算工事は施工条件や地盤条件が当初想定と異なることで発生するため、施工計画段階や着工早期に対処することが肝心である。
そこで同社は、施工・営業・技術及び協力会社が1つになって、想定と異なった原因を分析し、現場条件を十分適正に反映したKPIに基づいて施工管理を行うことで、不採算工事を発生させない体制を構築した。
また、今般の不採算工事は既に引き当てていることから、下期業績への影響はない見込みである。


セグメント別の業績では、主力の建設事業が増収増益となった。
国内建設事業において、土木杭工事は北海道新幹線延伸事業や大阪モノレール、万博が行われる予定の夢洲の道路など、建築の地盤改良工事は半導体工場や物流施設などが順調に進行した。
海外事業では、長くコロナ禍の影響を受けてきたが、大型物件の売上が寄与するなどようやく復調しつつあり、建設事業全体として2ケタ増収となった。
増収に加え、不採算工事はあったものの、主に地盤改良工事で利益が大幅に増加したことから増益を確保した。
一方、土木建築コンサルティング全般等事業は、下期偏重型の収益構造のうえ、例年より仕掛案件が多く売上が下期へずれ込んだことから減収減益となった。
その他の事業は、2020年3月期に川崎市に建設した特別養護老人ホームの賃貸収入のため安定収益となっている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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