Yimou Lee Faith Hung
[台北 14日 ロイター] - 電子機器の受託生産世界最大手、台湾の鴻海精密工業が14日発表した昨年第4・四半期決算は、純利益が前年同期比33%増加し予想を上回った。堅調な人工知能(AI)サーバー需要とホリデーシーズンの売り上げに支えられた。
増益率は四半期として2021年3月以来最も大きくなった。
24年は低調な滑り出しだが通年では大幅な増収になると予想した。AIサーバーの需要拡大が背景。
劉揚偉会長は昨年11月、24年について「比較的保守的で中立的な」見通しを示していた。
劉会長は今回の決算を受けたオンライン会見で「AIサーバーに対する顧客からの需要は非常に強い」と指摘。同事業は今年40%以上の売り上げ増が見込まれるとした。
AIサーバー市場は23年から25年にかけて毎年30%成長すると予測。鴻海の伸びはそれ以上になりそうだという。
第4・四半期の純利益は531億4000万台湾ドル(16億9000万ドル)と、LSEGスマートエスティメーツの予想(435億2000万台湾ドル)を上回った。
スマートフォンを含むスマート家電部門が売上高の58%を占めた。サーバーを含むクラウド・ネットワーク製品の割合は20%だった。
第1・四半期の売上高は前年同期比で若干減少すると予想。スマート家電も減収を見込んでいる。
第1・四半期は例年、欧米の年末商戦がある第4・四半期との比較で事業が低迷する傾向がある。
鴻海はまた、24年の設備投資の伸びは少なくとも昨年並みになると予測。世界的に投資多様化を進めるほか、電気自動車や半導体といった分野への拡大を目指す。
23年の設備投資額は14%増の約1117億台湾ドル(36億ドル)だった。