[東京 23日 ロイター] - 日経平均 .N225 終値 18825.3 +389.43 寄り付き 18762.65 安値/高値 18746.61─18915.64
TOPIX .TOPX 終値 1547.84 +29.62 寄り付き 1545.32 安値/高値 1544.14─1553.69
東証出来高(万株) 212785 東証売買代金(億円) 25642.54
東京株式市場で日経平均は急反発。一時479円高となり、取引時間中には8月31日以 来となる1万8900円台を回復する場面があった。ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁 が12月の追加緩和の可能性を示唆したことを受け、前日の欧米株が上昇。東京市場でも 投資家心理が強気に傾き、金融株や不動産株などを中心に幅広く買われた。もっとも上昇 幅の割には商いが盛り上がらず、市場では先行きに慎重な見方も出ている。
ドラギ総裁は22日のECB理事会後の会見で、新たな金融緩和手段を検討しており 、12月の理事会で発表する可能性があると表明。インフレ押し上げに向け、中銀預金金 利の追加引き下げにも言及した。欧米株が上昇したほか、為替が一時1ドル120円90 銭台とドル高/円安に進んだことも支援材料となり、東京市場は序盤から買い優勢の展開 となった。
来週末に日銀金融政策決定会合を控え、「海外勢を中心に緩和期待が高まっている」 (国内証券)といい、不動産や証券、保険など金融緩和の恩恵を受けやすい銘柄が上昇し た。一方、「麻生財務相の発言もあり、国内勢の追加緩和に対する見方は冷ややか。上げ 幅に比べ商いが盛り上がっていないことも買いの乏しさを感じる」(松井証券シニアマー ケットアナリストの窪田朋一郎氏)との声も出ていた。
麻生太郎財務相は23日の閣議後会見で、30日に開催予定の日銀金融政策決定会合 での追加緩和の必要性について、2%の物価目標達成に金融政策だけでできることには限 りがあると述べ、慎重な見方を示した。
個別銘柄では、カルビー 2229.T が大幅続伸。2015年4─9月期の連結営業利 益で最高益を確保したとの一部報道が材料視された。国内では穀物やドライフルーツを混 ぜたシリアル「フルグラ」が引き続き好調で、米国や韓国など海外事業も伸び、4─9月 期の連結営業利益は130億円前後と前年同期に比べ1割強増えたもようと伝わった。
半面、 第一実業 8059.T が年初来安値を更新。22日、2016年3月期連結業績 予想の下方修正を発表し、嫌気された。大手化学会社向けの蒸留設備や大手製紙会社向け の薬品回収用設備等の大口案件の納期が遅延したほか、PC関連機器やスマートフォンの 需要減少によりエレクトロニクス業界向けの電子部品実装関連設備等の大口売上が減少し たという。
東証1部騰落数は、値上がり1575銘柄に対し、値下がりが247銘柄、変わらず が80銘柄だった。
(杉山容俊)