伊藤忠エネクス (T:8133)は伊藤忠 (T:8001)グループ内でエネルギー分野の中核を担うエネルギー商社だ。
産業向けから最終消費者向けまで、石油製品、LPガスを中心に幅広い事業を展開している。
2016年3月期第2四半期(2015年4月−9月)決算は、減収増益で着地し、売上総利益と営業利益は過去最高を更新し、当期利益も実質ベースでは過去最高となった。
原油価格下落という逆風は続いたものの、新規顧客開拓、販売数量増、コスト削減努力などで吸収して増益を達成した。
まとめるならば、“稼ぐ力”が着実に増大していることを示すことができた決算と言えよう。
電力小売りの全面自由化が2016年4月にスタートするのを控え、今下期はそれへの準備がどの程度進むかに注目が集まっている。
同社は電力販売を成長戦略の重要な柱と位置付けて、これまで自社電源の確保や、大口顧客の獲得など、着実に地盤を固めてきた。
来年4月の全面自由化により国内電力需要の40%近くを占める低圧分野(小口分野)が新たに市場に加わるため、成長の加速が期待されるところだ。
それに対する同社の対応のカギはバランシング・グループ(BG)の組成だ。
これは同社を核としたPPS(新電力)と呼ばれる企業の集団のことで、電力需給調整や販売など面で高効率性や規模のメリットを目指す仕組みだ。
同社は社内のLPガス事業や石油事業との連携を図るのは言うまでもなく、広く伊藤忠グループ企業や外部の企業も含めて、業種の枠を超えてBGを組成することを目指している。
電力・ユーティリティ事業だけでなく他の各事業部門もそれぞれの成長のための施策に取り組んでおり、着実に功を奏しつつある。
今第2四半期決算はそれが垣間見えた決算であったが、2017年3月期にはそれが一段と明確になると期待される。
同社が中期経営計画において掲げる営業利益20,000百万円、当期利益10,000百万円という業績目標は、達成される可能性は十分に高いと弊社では考えている。
※同社は2014年3月期よりIFRSを適用しているが、当レポートの表記の便宜上、「営業活動に係る利益」を「営業利益」、「当社株主に帰属する純利益」を「当期利益」と表記している。
■Check Point ・売上総利益と営業利益が第2四半期として過去最高を記録 ・ホームライフ事業では電力小売事業への取り組みに注目 ・総電力販売量における小売販売比率を高める (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
産業向けから最終消費者向けまで、石油製品、LPガスを中心に幅広い事業を展開している。
2016年3月期第2四半期(2015年4月−9月)決算は、減収増益で着地し、売上総利益と営業利益は過去最高を更新し、当期利益も実質ベースでは過去最高となった。
原油価格下落という逆風は続いたものの、新規顧客開拓、販売数量増、コスト削減努力などで吸収して増益を達成した。
まとめるならば、“稼ぐ力”が着実に増大していることを示すことができた決算と言えよう。
電力小売りの全面自由化が2016年4月にスタートするのを控え、今下期はそれへの準備がどの程度進むかに注目が集まっている。
同社は電力販売を成長戦略の重要な柱と位置付けて、これまで自社電源の確保や、大口顧客の獲得など、着実に地盤を固めてきた。
来年4月の全面自由化により国内電力需要の40%近くを占める低圧分野(小口分野)が新たに市場に加わるため、成長の加速が期待されるところだ。
それに対する同社の対応のカギはバランシング・グループ(BG)の組成だ。
これは同社を核としたPPS(新電力)と呼ばれる企業の集団のことで、電力需給調整や販売など面で高効率性や規模のメリットを目指す仕組みだ。
同社は社内のLPガス事業や石油事業との連携を図るのは言うまでもなく、広く伊藤忠グループ企業や外部の企業も含めて、業種の枠を超えてBGを組成することを目指している。
電力・ユーティリティ事業だけでなく他の各事業部門もそれぞれの成長のための施策に取り組んでおり、着実に功を奏しつつある。
今第2四半期決算はそれが垣間見えた決算であったが、2017年3月期にはそれが一段と明確になると期待される。
同社が中期経営計画において掲げる営業利益20,000百万円、当期利益10,000百万円という業績目標は、達成される可能性は十分に高いと弊社では考えている。
※同社は2014年3月期よりIFRSを適用しているが、当レポートの表記の便宜上、「営業活動に係る利益」を「営業利益」、「当社株主に帰属する純利益」を「当期利益」と表記している。
■Check Point ・売上総利益と営業利益が第2四半期として過去最高を記録 ・ホームライフ事業では電力小売事業への取り組みに注目 ・総電力販売量における小売販売比率を高める (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)