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ケネディクス Research Memo(10):2017年12月期にベース利益40億円、3年平均ROE8%を目標とする

発行済 2016-03-09 16:36
更新済 2016-03-09 17:00
ケネディクス Research Memo(10):2017年12月期にベース利益40億円、3年平均ROE8%を目標とする
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■成長戦略とその進捗 (1)中期経営計画 ケネディクス (T:4321)は、前期(2015年12月期)を初年度とする新たな中期経営計画を進めている。
「ケネディクスは不動産の限りなき可能性を切り拓きます」というミッションステートメントの下、自ら不動産を所有せず(グループで組成・運用するファンドが保有)に、安定的な収益力を追求する「ケネディクスモデル」を再定義した。
a)アセットマネジメント事業を中心とする安定収益の成長、b)共同投資を中心とする不動産投資事業の推進、c)財務の健全性と株主還元の最適なバランスの追求を重点施策として、最終年度である2017年12月期には、ベース利益4,000百万円、3年平均ROE8.0%の実現を目標とする内容となっている。
a)アセットマネジメント事業を中心とする安定収益の成長 引き続き、受託資産残高の成長を目指す。
特に、市場拡大が見込めるヘルスケア分野やインフラ分野等、新たな対象資産への取組みを強化するとともに、ノンアセットの不動産関連サービスの拡大や受託資産の価値向上につながるサービスの提供などにも注力する方針である。
加えて、投資家の開拓や海外不動産投資など海外展開の推進、運用力とサービスの質向上の基本となる事務管理体制の更なる強化についても掲げている。
最終年度である2017年12月期末の受託資産残高は2兆円(そのうち、ベースAUMは1.5兆円)に拡大する想定となっている。
b)共同投資を中心とする不動産投資事業の推進 顧客投資家との共同投資の推進を図る方針である。
特に、同社ファンドビジネスの成長に資する投資として、商業施設及びヘルスケア関連施設への重点投資を目指す。
また、投資ポートフォリオのモニタリングとリスク管理の強化、市場の変化を先取りした資金アロケーションにも取り組む。
c)財務の健全性と株主還元の最適なバランスの追求 単体有利子負債水準の健全なコントロールや不動産投資と自己資本の健全なバランスの確保により財務の健全性の更なる強化を図るとともに、ベース利益に基づく配当の継続や機動的な株主還もとに向けた内部留保の充実にも取り組む。
同社は、需要が拡大しているホテルの開発案件(Re-Seed機構との開発ファンドを組成した六本木ホテル案件など)のほか、商業及びヘルスケア施設の開発を含む重点投資やコアファンドの組成、インフラファンドの組成準備(再生エネルギー発電設備を対象としたファンド)など、持続的な成長に向けた数々の種まきを行っている。
海外展開についても、2015年5月にシンガポール法人を設立すると、12月には第1号投資案件を実行した。
また、不動産関連サービスについては、2015年7月に同社グループの保有及び受託する資産の価値を高めることを目的として工事事業等を行うケネディクス・エンジニアリング(株)(ケネディクス・プロパティ・マネジメントの100%子会社)を設立したほか、子会社のスペースデザインが運営するサービスアパートメント業務においても、「民泊」の条例動向や営業可能性を模索するなど、事業拡大に向けて着実な進展を図っている。
弊社では、今期(2016年12月期)の業績(営業収入や営業利益、ベース利益)が一旦縮小する見通しとなっているものの、当初計画の想定内であることや、バランスシートの再構築が完了したことで「ケネディクスモデル」による本来の業績の伸びが期待できることから、中期経営計画の達成は可能であると判断している。
また、中長期的な視点からは、ヘルスケア分野やインフラ分野等、市場拡大の期待できる対象資産への取り組みや不動産関連サービスの拡大、海外展開など、今後の成長に向けた動きに注目している。
特に、株主還元(自社株買いを含む)という選択肢を含め、潤沢なキャッシュポジションの使い道(資金アロケーション)についてもフォローしていきたい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

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