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VTHD Research Memo(4):16/3期はM&Aによる新規子会社の寄与によって売上高は増加

発行済 2016-06-13 16:53
更新済 2016-06-13 17:00
VTHD Research Memo(4):16/3期はM&Aによる新規子会社の寄与によって売上高は増加
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■業績動向 (1) 2016年3月期の業績 ○損益状況 VTホールディングス (T:7593)の2016年3月期の決算は、売上高が146,468百万円(前期比7.4%増)、営業利益が7,619百万円(同3.7%増)、経常利益が7,603百万円(同2.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が4,090百万円(同11.7%減)となった。
M&Aによる新規子会社の寄与によって売上高は前期比で増加しているが、既存会社ベースでは不振であった。
売上総利益率は、利益率の低い海外子会社の比率が増加したものの中古車部門の利益率が改善したことやサービス部門の売上比率が上がったことなどから19.3%(前期19.6%)と微減にとどまった。
主力の新車販売部門、中古車販売部門及び収益性の高いサービス部門で増収・増益となった。
また販売管理費は新規子会社が増えたこともあり20,690百万円(前期比6.6%増)となったが、対売上高比率は前期の14.2%から14.1%へ低下、その結果、営業利益は前期比で3.7%の増益となった。
ただし特別損失として保有する海外企業の株式(子会社株式の売却に伴い取得した)の評価損等(651百万円)を計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は4,090百万円(同11.7%減)となった。
主な部門の状況は下記のとおりとなった。
(新車部門) 2016年3月期の国内新車市場は、届出車(軽自動車)の減少が影響し販売台数は494万台(前期比6.8%減)となった。
このような市場環境の中で、同社の新車販売台数は27,549台(同0.2%増)となったが、M&Aによる海外子会社の寄与分が含まれており、国内だけを見れば前期比ではマイナスであった。
このような状況から新車部門の売上高は61,676百万円(同3.6%増)となったが、粗利益は8,481百万円(同4.9%減)へ減少し、粗利率は13.8%(前期は15.0%)へ低下した。
(中古車部門) 国内の中古車販売台数は514万台(前期比0.4%増)とほぼ前年同期並みであったが、同社グループの中古車販売台数は46,268台(同1.8%減)と微減となった。
しかし市場全体で新車販売が不振であったことから質の良い中古車が不足(下取り車が減少)し、中古車価格は比較的高値で推移した。
この結果、同社の販売単価・台当り粗利も改善し、中古車部門の売上高は44,472百万円(同12.9%増)、粗利益は6,001百万円(同27.9%増)となった。
粗利率は13.5%(前期は11.9%)と改善した。
(サービス部門) サービス部門の売上高は27,735百万円(前期比4.1%増)、粗利益10,222百万円(同2.5%増)、粗利率36.9%(前期は37.4%)となった。
国内における乗用車保有台数は安定的に推移しているが、前々期はリーマンショック後に販売が落ちた時期の2回目の車検と震災後に販売が落ちた時期の最初の車検が同時に重なったことから全体的に車検対象の台数が少なくなり、想定以上に売上げが伸び悩み、減収・減益であった。
前期はこれが通常な状態に戻ったことから、前期比では増収・増益となった。
(レンタカー部門) レンタカー部門は新規の出店効果などもあり、売上高は6,173百万円(前期比7.9%増)、粗利益は2,537百万円(同7.3%増)と増収・増益を達成した。
レンタカーの保有台数(12,440台、2015年3月時点)は業界第6位(トップはトヨタレンタリースの107,076台)だが、同業他社に比較して同事業の利益率は高く、子会社J-netレンタリースの経常利益率15.4%(2016年3月期)は業界トップクラスである。
グループ内で新車・中古車の販売を行っていることから損保業界とのつながりが深く、このことがJ-netレンタリースの高い利益率の要因となっている。
(注)損保業界にとって最大の顧客は新車や中古車の購入者であり、レンタカー業界にとって最大級の顧客が損保業界(代車需要)となっている。
(住宅・その他) 同社は、2014年8月1日付で、東証2部上場で分譲マンションの企画・販売を手掛けるエムジーホーム {{|0:}}を株式交換により連結子会社化(それまで持分法適用会社)した。
前期はこのエムジーホームが通年で寄与しており、この効果もあって住宅・その他部門の売上高は6,410百万円(前期比26.1%増)、粗利益は1,066百万円(同32.1%増)と大幅な増収・増益となった。
○主要子会社の状況 既述のように同社グループは多くの企業によって形成されているが、主な子会社の状況は以下のようであった。
(ホンダカーズ東海) 上場時の母体企業であり、ここで培われた運営ノウハウがグループ傘下の各社に注入され収益性強化に寄与している。
拠点数は、新車販売が27、中古車販売が1となっている。
この2016年3月期は、売れ筋のステップワゴンのフルモデルチェンジや新型コンパクトステーションワゴン「シャトル」の発売などがあったが、リコールが相次いだこともあり売上高は21,800百万円(前期は21,600百万円)となった。
経常利益は1,370百万円(同1,590百万円)と減益となったが、新規出店や店舗のリニューアルなどの投資による面が大きく、懸念される内容ではなかった。
経常利益率は6.3%(同7.4%)へ低下した。
(日産系子会社) 日産車は目立った新車の発売はなくマイナーチェンジがメインであったが、自動ブレーキ車に対するニーズが高まったことや期の前半までの「嵐」を使ったTVCMの影響などから全体的にはまずまずに推移した。
長野日産:売上高は22,600百万円(同23,000百万円)、経常利益は2,550百万円(同2,410百万円)と減収ながら中古車部門やサービス部門の寄与もあり増益となった。
その結果、経常利益率は11.3%(同10.5%)と改善した。
静岡日産:売上高は18,900百万円(同19,700百万円)と減収となったが、サービス部門の改善などから経常利益は1,830百万円(同1,810百万円)とわずかながら増益となった。
経常利益率は9.7%(同9.2%)へ上昇した。
三河日産:売上高は12,300百万円(同11,600百万円)と増収になり、経常利益も830百万円(同630百万円)と改善したが、前期が悪すぎたためで、まだ一昨年のレベルには回復していない。
日産サティオ埼玉:売上高は9,800百万円(同10,200百万円)、経常利益は600百万円(同440百万円)と減収・増益であるが、利益水準はまだ一昨年(1,070百万円)に比べるとかなり低い。
(CCR MOTOR) 英国最大の三菱自動車のディーラーで8拠点を有する。
三菱車の販売不振に苦戦しているが、中古車やサービス部門の収益性向上により会社全体の収益性は改善しつつある。
売上高は12,100百万円(同11,900百万円)と増収となった。
損益面は依然として経常損失(220百万円)であるが前期(270百万円)からは若干改善している。
黒字化が課題となっている。
(GRIFFIN MILL GARAGES) 英国のサウスウェールズ地方でマルチブランド(Peugiot, KIA, FIAT, Nissan, Renoult, DACIA)の自動車ディーラーを2店舗展開中。
売上高は8,790百万円、経常利益100百万円を計上した。
(2014年12月に子会社化されたので前期比較はない)直接の利益寄与は小さいが、英国内では上記のCCR MOTORとの連結納税が可能であるため、その点での寄与はある。
(トラスト {{|0:}}) 東証2部上場の子会社で主力事業は中古車の輸出販売。
車両ラインアップの強化、Webサイトの改善、一部B2B販売の強化等に加えて、主力のアフリカ地区での陸送サービスやアフターサービスの充実を図り販売は堅調に推移している。
売上高は8,473百万円(前期7,771百万円)、経常利益335百万円(同432百万円)となった。
先行投資的な経費が発生しているため減益ではあるが、将来性はある。
現在でも100ヶ国以上に輸出をしており、向け先国での法改正が進めば業績が大きく伸びる可能性ある。
(J-netレンタリース) 新規出店の効果もあり、売上高は7,730百万円(同7,160百万円)、経常利益1,190百万円(同1,100百万円)と過去最高の売上高、経常利益を達成した。
予約サイトの強化、TVCMの継続実施など個人顧客の獲得に注力する。
加えて今後も年10店舗ほどを増やしていく計画だ。
(新規子会社) モトーレン静岡:2016年2月に新規設立、営業譲受によってBMW車の正規ディーラー事業を開始。
静岡県内に新車販売店3店舗、中古車販売店3店舗を運営。
前期実績で売上高は約50億円、利益は赤字。
今期(2017年3月期)から連結に加わる。
Wessex Grages Holdings Ltd.(WGH社):M&Aによって2016年5月に100%子会社化。
イギリス南西部で自動車ディーラー7店舗を展開。
日産、Renault、Dacia、Fiat、Abarth、Kia, Hyundaiの7ブランドを展開。
年間売上高は約220億円、営業利益は約3億円。
今期の第2四半期(7月)から連結決算に加わる予定だが、下記の今期予想には織り込んでいない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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