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ボルテージ Research Memo(2):売上高、各利益共に増収増益で着地

発行済 2016-06-14 16:08
更新済 2016-06-14 16:33
ボルテージ Research Memo(2):売上高、各利益共に増収増益で着地
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■2016年6月期第3四半期決算の分析 ボルテージ (T:3639)の2016年6月期第3四半期は、売上高8,571百万円(前年同期比8.8%増)、営業利益443百万円(同97.4%増)、経常利益428百万円(同72.1%増)、当期利益218百万円(同138.1%増)と増収増益での着地となった。
第3四半期の事前予想はないが、営業利益の前年同期比伸び率が97.4%と、通期ベースでの予想営業増益率71.2%を大きく上回っていることを考えると、今第3四半期は計画どおりで順調に推移していると弊社では評価している。
売上高は日本語版恋愛ドラマアプリが前年同期比9%増の7,296百万円、英語版恋愛ドラマアプリが同26%増の1,265百万円と順調に伸長し、サスペンスアプリの出遅れをカバーした。
原価面では外注費がコンテンツ数の増加や名作IPタイトル(他社の知財を活用したタイトル)の増加に関わるロイヤリティ増加に伴い同18.1%増となるなど、原価項目全般に増加した。
その結果、売上高売上総利益率は前年同期の63.7%から62.3%に1.4ポイント低下した。
販管費は前年同期比2.2%増の4,895百万円にとどまった。
その要因は広告宣伝費が同12.6%減の1,110百万円に抑制されたためだ。
売上高販管費率が前年同期の60.8%から57.1%に3.7%ポイント改善したため、売上総利益率の低下を吸収し、売上高営業利益率は2.9%から5.2%へと改善した。
販管費内訳において、特に広告費の使用について同社は慎重なスタンスをとっており、社内基準に照らし効果が高いと想定されるもののみ広告投下を行っている。
また、販売手数料が前年同期比9.3%増となっているのは、OS系プラットフォーム(App StoreやGoogle Play)向けアプリの売上高増加に伴うものであり、前向きに評価できる性質のものだ。
市場セグメント別では、前述のように日本語版恋愛ドラマアプリが堅調に収益を拡大させている。
英語版恋愛ドラマアプリも売上高を大きく伸長させたものの、開発投資を回収するには至らず、利益面では営業損失が続いている。
サスペンスアプリの売上高は前年同期比95%減と大幅に減少したが、これは『六本木サディスティックナイト』(以下、『六本木』)がローンチ後もベース改善を続けており、広告費の投下を見送っているためだ。
広告費を投下しない分だけ営業損失は前年同期の443百万円から229百万円と大きく縮小したが、売上高の早期の立ち上がりが待たれるところである。
タイトル別動向では、『天下統一恋の乱 Love Ballad』(以下、『恋乱』)と『ダウト~嘘つきオトコは誰?~』(以下、『ダウト』)がともに計画を上回る売上となった。
前者はボイス実装(声優の吹き込み)や合戦イベントが好調で新規ユーザー取り込みに成功した。
後者はダメ男を見極めて排除するというこれまでの同社にはなかった新しいコンセプトがユーザーに受け入れられ、2016年2月実施のCM効果もあって計画以上に売上を伸ばしている状況だ。
他方、『上司と秘密の2LDK★Love Happening』(以下、『2LDK』)はローンチが後ろ倒しとなり、収益は計画を下回った。
ただしこのタイトルはP2P版が人気アプリとなっている実績があり、タイミングは後ズレしたものの、今後の改善次第で十分売上への寄与に期待が持てると弊社では考えている。
サスペンスアプリは前述のようにベース改善を続けていることによって、計画に対してマイナスとなった。
ただしこちらも改善によって着実にユーザーを増やし、ランキングも徐々に上昇してきている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

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