[東京 3日 ロイター] - シンガポールの投資ファンド、エフィッシモ・キャピタル・マネジメントが昨年の東芝の年次株主総会について独立調査を提案していた問題で、米国の議決権行使助言会社インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)は3日、提案に賛成するよう助言した。
筆頭株主のエフィッシモは、株主総会で一部株主の議決権が損なわれたと主張している。
ロイターは昨年、東芝が7月末に開いた定時株主総会を巡り、経済産業省の参与が米ハーバード大学の基金運用ファンドに対し、会社側の意にそぐわない形で議決権を行使した場合、改正外為法に基づく調査の対象になる可能性があると干渉していたことが関係者の話で分かったと報じた。
関係者によると、ハーバード大基金はこの説明を受け、議決権行使を断念したが、その後、この説明に法的な根拠がないと認識したという。
東芝はこの問題について独自の調査を実施し、ハーバードに圧力を掛けるいかなる試みに関しても東芝の関与は認められなかったとした。
ロイターが確認したリポートによると、ISSはこの問題に関する東芝の内部調査は「一方的」だと指摘。「東芝がエフィッシモの訴えに対して形だけの調査を行ったとの印象はぬぐい難いだろう」とした。
米ヘッジファンドのファラロン・キャピタルが提案した東芝の新たな経営戦略には反対するよう助言したという。
東芝は臨時株主総会を3月18日に開く。
東芝およびISSはコメントを控えた。
*内容を追加しました。