[東京 18日 ロイター] - 今週の東京株式市場は総じてしっかりとした展開となり、日経平均は2万円を試す場面もあると想定されている。欧米金利の上昇が警戒される一方、日本株に対しては押し目があれば買いに向かう投資主体が多いとみられている。国内企業の業績が比較的堅調な見通しとなったことも支援材料となり、戻り歩調を強める動きも予想されている。
日経平均の予想レンジは1万9400円─2万円。
市場に動揺を与えた独10年債 DE10YT=TWEB 、米10年債 US10YT=RR の利回り上昇はここに来て一服感もみられている。15日の日経平均は欧米株高を好感し反発。前週末比で終値は350円超の上昇となっており、地合いの強さを印象付けている。
国内では企業決算シーズンが終了。会社側が打ち出した2016年3月期の業績見通しは「概ね市場予想の範囲内で好感できる」(国内証券)との声が出ているほか、日経平均の予想EPS(1株利益)も1200円を超える水準まで上昇している。野村証券・ストラテジストの柚木純氏は「材料が少なくなる時期となるが、個別企業の決算内容が精査され、日本株もじわじわと動くような展開となるだろう」と展望する。
流動性に対する期待感も引き続き相場を下支えしそうだ。20日に発表される日本の1━3月国内総生産(GDP)1次速報が弱い内容となれば、一時的に下落する局面もみられそうだが、下値では日銀によるETF(上場投資信託)の買い入れへの思惑が広がりやすい。
アムンディ・ジャパン・投資情報部長の高野雅永氏は「米国ではテーパリングの方向となっているが、日本と欧州、中国が埋め合わせをしている構図。ここでショートをしても勝ち目がないという大きな見方がある」と指摘。「一気に上げてくるという感じではないが、いい意味の『小康状態』が続くだろう」と話す。
21━22日には日銀の金融政策決定会合が控えているが、金融政策の現状維持が市場のコンセンサスとなっている。海外では米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨(4月28━29日開催分)が20日に公表される。利上げ観測、米国景気の先行きに対する見方が引き続き米国株を左右する展開が想定されているが、日本株については好需給を背景に、安定感を指摘する向きも多い。
SBI証券・投資調査部長の鈴木英之氏は「欧州や米国での金利上昇が波乱要因となってきたが、徐々に落ち着きをみせている。日経平均の予想EPSを評価する動きが出てくるとみられ、高値トライもあり得る」と分析する。決算発表が一巡してから株高傾向となった昨年同様の動きが今年も見込まれるほか、海外投資家からの持続的な資金流入に対する期待感も継続していると指摘している。
(株式マーケットチーム)