THE BIG PICTURE
EUR/USD
- USDは、水曜日、およびアジア時間の木曜日、数ヵ月以内の量的緩和の縮小の可能性を仄めかしたFRBの議事録発表を受けて、主要通貨のバスケットに対して上昇した。水曜日に発表されたデータも、USDを後押しした。10月の小売売上高が、0.4％と前月と変わらない水準で、予想以上に拡大し、消費主導の米国の景気が好転しているとする楽観的見方に拍車を掛けた。9月の企業在庫は0.6％とわずかに増加した。住宅業界からは芳しくないデータが発表され、消費者物価は予想通りとなった。欧州中央銀行がマイナス金利と一段の緩和政策に関する議論について検討していると報道されたことを受けて、EURは、水曜日、弱含んで下落した。特にEURは対JPYで大きく売られた。EUR/JPYの大幅な低下が、JPYにおける広範な反発を招いた。予想通り、日銀は満場一致で指標金利を0.10％に据え置いたため、アジア株は、木曜日、まちまちな動きとなった。11月のHSBC中国製造業購買担当者速報値は、予想以上に悪化した。コモディティー通貨は、EURよりもさらにひどい打撃を受けた。水曜日、AUDは対USDで1パーセン超低下した。オーストラリア準備銀行の総裁が、水曜日、為替の低下を選好すると述べたことから、AUDは圧力に晒された。
- 水曜日、FRBの発言を受けて、金の価格は下落した。今週イランとの原子力協定に達するのは非常に困難であろうと米国の高官が述べたことを受けて、コモディティー取引では、水曜日、ブレント原油が上昇した。
- 本日は、中国、フランス、ドイツ、全ユーロ圏の11月の製造業およびサービス業PMIが発表される。中国は、昨晩、予想の50.8に届かず、50.4まで低下した。わずかに上昇するが50を引き続き下回ると予想されているフランスの数値を除き、欧州の製造業PMIは、改善し、50を超えると予想される。ユーロ圏の11月の消費者信頼感指数は、上昇するものの、ゼロを引き続き下回ると予想される（前月の-14.5に対し、予想は-14.0）。本日遅くには、米国の11月16日分の週1の失業保険申請件数が発表される。同数値は、前週の33万9千件から33万5千件にまで減少すると予想される。10月の製造業物価指数も発表される。総合値は、9月の0.1％の低下速度を上回る0.2％の低下を示すと予想される。食料品およびエネルギーを除く値は、前月と同じ0.1％を示すと予想される。11月のフィラデルフィア連銀指数は、10月の19.8から15.0まで低下すると予想される。発言者に関して：ECBのマリオ・ドラギ総裁が、「成長促進のための戦略」について発言する。アンゲラ・メルケル首相がオープニングスピーチを行う。ECBのワイドマン氏は、ベルリンの会議で発言する。FRBのパウエル氏、ラッカー氏、ブラード氏も発言する。
EUR/USD
- EUR/USDは、昨日、急激に低下し、水色のサポートラインを下方突破した。この下落は、1.3414（S1）のサポート・バリアーで止まり、これを決定的に割り込めば、1.3321（S2）にある次のサポート水準に向けたイクステンションが生じる可能性がある。RSIが青色のサポートラインを下方突破し、MACDが既にトリガーを下回っているものの、マイナスの兆候を示そうとしているため、両モメンタム分析は、同ペアの弱さを裏付けている。
- サポート: 1.3414 (S1), 1.3321 (S2), 1.3216 (S3)
- レジスタンス: 1.3500 (R1), 1.3578 (R2), 1.3662 (R3)
- USD/JPYは、紫色の右肩上がりのチャネルの下限でサポートを見出した後、上昇し、100.43（R1）のレジスタンスに達した。このハードルを突破すれば、レートは、前回の高値を超えることになるため、上昇トレンドの継続を確認することになるだろう。50期間移動平均は200期間移動平均を上回っており、価格動向に対する支持を提示しており、MACDはシグナルラインを上方にクロスしようとしており、さらなる上昇を示唆している。日足チャートでは、レートは、シメトリカル・トライアングル・フォーメイションの上限を上回って推移しており、向こう数週間の同ペアの強含みを示唆している。
- サポート: 99.55 (S1), 99.08 (S2), 97.95 (S3)
- レジスタンス: 100.43 (R1), 101.44 (R2), 102.40 (R3)
- GBP/USDは、1.6147（R1）のハードルの上方突破に失敗した後、低下した。しかし、レートが200期間移動平均と紫色の上限を引き続き上回る限り、低下は戻しであると考えたい。強気筋が、価格をチャネルの上限を引き続き上回る水準で維持することができれば、彼らは、再び前述のレジスタンスを試そうとするだろう。このチャネルに再び向かおうとするイクステンションによって、バイアスは下落サイドに転じるだろう。
- サポート: 1.6052 (S1), 1.6000 (S2), 1.5890 (S3)
- レジスタンス: 1.6147 (R1), 1.6260 (R2), 1.6375 (R3)
- 金は下落し、1269と1251のバリアー（昨日のサポート水準）を下方突破した。金は引き続き、紫色の右肩下がりのチャネル内にとどまり、現在、新たな短期的安値に向かいつつある。RSIとMACDの両オシレーターは、価格の弱気な様相を裏付けている。しかし、RSIは、売られ過ぎの領域にあるため、さらなる保ち合い、または、上方への調整の波の可能性は無視できない。
- サポート: 1211(S1), 1177 (S2), 1155 (S3)
- レジスタンス: 1251 (R1), 1269 (R2), 1290 (R3)
- WTIは横ばい推移となり、93.14（S1）水準を若干上回る水準にとどまった。弱気筋は、このハードルを超えることができなかったことは、我々の両モメンタム指標が引き続き上昇の道を辿っていることによって裏付けてられている。しかし、青色の右肩下がりのチャネルと、50期間移動平均が引き続き200期間移動平均を下回っているということによって示されている通り、WTIは依然として下落トレンドにある。
- サポート: 93.14 (S1), 91.22 (S2), 89.32 (S3)
- レジスタンス: 95.36 (R1), 98.81 (R2), 101.00 (R3)