主要インデックスは下落、リスクオフの流れ
S&P 500、NASDAQ総合指数、Russell 2000などの米国主要インデックスは金曜日に安値引けで終わった。8月の中古住宅販売が3.4%減り、2015年以来の低水準になったことが、売り圧力になっていた。
また、10月19日は1987年に起きた世界同時株安「ブラック・マンデー」の31周年であり、その心理的な影響が恐怖指数に影響したと考えられる。
1987年の世界同時株安では、 ダウ平均が1日で508ポイント下落した。これは歴史上で、1日での最大の下げ幅である。
アナリストは、現在の下落は「深い調整」に入る初期であるか、もしくは単なる「買い機会」なのかを議論し合っている。
株式は金曜日の序盤では上昇基調であった。
一方、一部の株は下落しインデックスを下げる要因になっていた。
S&P 500インデックスは0.04%安とやや下落している。これは、3日連続の下落である。
しかし、200日の移動平均線によって2日連続で下支えされ、上向きのフラッグを形成している。このフラッグは、2016年の2月の底以来の上昇トレンドラインのすぐ上である。
ディフェンシブセクターである生活必需品 (金曜日+2.28%、週次+4.41%) と公益事業 (金曜日+1.56%、週次+3.06%) は好調だった。一方でリスクセクターである一般消費財 (金曜日-0.98%、週次+1.97%) はリスクオフの背景の中で下落となった。
ナスダックは0.48%下落した。3日間連続の下落であり、週次で1.29%下げ、3週間連続の下落となった。金曜日の序盤の上げによって200日の移動平均線を上抜けしたが、再度下抜けして終値を迎えた。
Russell 2000は1.08%安。週次では0.59%下落した。
金曜日のダウ平均は、主要インデックスの中で唯一上昇して終値を迎えた。金曜日は0.26%高で、週次では0.41%の上昇である。
この主要インデックスの下落は、長期の上昇トレンドを試していると言っていいだろう。要は、強い経済指標と好調な決算が、地政学的リスクに対して打ち勝てるかどうかということだ。慎重なトレーダーはトレンドの方向性が確実になるまで待つべきだろう。積極的なトレーダーは、リスクを最小限にするためにストップロスを入れ、3月以来の上昇トレンドの中で割安と考えて「買い機会」と捉えるだろう。
為替相場では、 米ドルが週次0.51%高となった。しかし、金曜日に0.27%安となっている。この金曜日の下落は、テクニカル的にも悪い前兆を示している。ベアリッシュ・エンガルフィング・パターンを形成し、5月14日以来の上昇トレンドラインを下回っている。
米ドルの資産が、 金に流れ込んでいる。金のチャートでは、先週から三角持ち合い(ペナント)を形成し、上抜けして上昇相場になる可能性が高い。
サウジアラビアの記者カショギ氏の失踪を巡って米国とサウジアラビア間の緊張が高まり、 原油価格を押し上げる要因になっていた。
先週の米国原油在庫は650万バレル増加し、原油価格を下落させた。また、米国エネルギー情報局によると、原油輸出は180万バレル減少した。
先週、米国の原油生産は1日あたり30万バレル減少し、1090万バレルとなったにも関わらず、原油関連企業は急騰した。
アナリストによるとこれはハリケーン・マイケルによって湾岸沿いの原油生産施設が一時的に閉まっていたことに起因するという。
現在のところ原油供給は適切に行われ、原油価格を押し下げる要因もあるが、過去6ヶ月のエネルギー産業は緊張が高まっている。国際エネルギー機関によると、世界の生産余力は需要の2%程減っており、これからも減る可能性が高い。テクニカル的には、金曜日は2017年6月以来の上昇トレンドラインに支えられている。