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いちご Research Memo(4):2018年2月期は過去最高だった昨年度には及ばずも、高い利益水準を確保

発行済 2018-05-25 15:51
更新済 2018-05-25 16:01
いちご Research Memo(4):2018年2月期は過去最高だった昨年度には及ばずも、高い利益水準を確保
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■業績動向

1. 2018年2月期の業績概要
いちご (T:2337)の2018年2月期通期は、売上高が前期比47.1%減の57,846百万円、営業利益が同4.2%減の20,858百万円、経常利益が同2.9%減の19,185百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同5.9%減の14,018百万円と減収減益となったが、期初の各利益予想を超えて着地した。


売上高は大幅に減収となっているが、同社の業績を見る場合に売上高よりも各利益に着目したい。
不動産の売却においては各物件により粗利率は様々だからである。
2017年2月期に一過性の業績向上要因が重なったこと、2018年2月期は売上総利益でほぼ期初予想どおりだったことから判断して、当期は順調に進捗したと考えてよいだろう。


セグメント別には、心築事業の寄与が大きく、粗利益で22,159百万円(前期比9.5%増、予想比0.8%減)である。
内訳としては、不動産賃貸10,111百万円、不動産譲渡で12,047百万円とストックとフローのバランス良く稼いでいる。
アセットマネジメント事業では、2017年3月に連結子会社のタカラビルメン(株)を売却したことにより減益となったが、粗利益で2,427百万円(前期比16.6%減、予想比1.2%減)と堅調に推移した。
クリーンエネルギー事業は、粗利益1,353百万円(前期比64.1%減、予想比20.7%増)であり、いちごグリーンへの発電所譲渡が大幅に減少したことが影響した。
全般的には、過去最高益だった2017年2月期には及ばなかったものの、安定的に収益をしっかり稼ぎ、昨年度に匹敵する高い利益水準を確保した決算と言える。



グローバルな投資基準を満たす「JPX日経インデックス400」に組み入れられ、さらに上位を目指す
2. 財務状況と経営指標
2018年2月期末の総資産残高は前期末比23,053百万円増の296,512百万円となった。
主な増加は、固定資産の13,716百万円増であり、有形固定資産が12,904百万円増加したことが主な要因である。
流動資産は、9,337百万円増であり、販売用不動産の12,984百万円増が主な要因である。


負債合計は前期末比13,772百万円増の203,787百万円となった。
主な増加は固定負債の17,003百万円増であり、長期借入金が20,762百万円増加したことが主な要因である。
一方、流動負債は3,232百万円減少した。


経営指標では、流動比率(1420.0%)、固定長期適合率(23.1%)など極めて安全性が高い。
自己資本比率は30.1%だが、同社に帰属しない連結ファンドなどのリスクを控除した自己資本比率では50.5%と高い数値になる。
2016年8月には、資本の効率的活用や投資者を意識した経営観点など、グローバルな投資基準に求められる諸要件を満たした株価指数「JPX日経インデックス400」へ組み入れられ、さらに2019年8月には200位以内を目指している。


また、同社の事業モデルを支える資金調達力に関して以下の強みが例示できる。
いずれの指標においても、過去数年で改善をしており、また業界水準をしのぐレベルにある。


1) 長期借入金の比率:95%(2018年2月末)
2) 加重平均金利:1.04%(2018年2月末)
3) 加重平均借入期間:10.2年(2018年2月末)

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)

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