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エレマテック Research Memo(2):電子材料を得意とする2社が2009年に合併して誕生

発行済 2018-06-20 15:13
更新済 2018-06-20 15:20
エレマテック Research Memo(2):電子材料を得意とする2社が2009年に合併して誕生
2715
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■会社概要

1. 沿革
エレマテック (T:2715)の前身の2社のうち、高千穂電気は1947年に東京で、大西電気は1958年に京都で、それぞれ設立された。
両社はともに絶縁材料の取扱いからスタートし、その後の技術開発の流れにそってエレクトロニクス製品向けの電子材料へと取扱品目を拡大し、独立系技術商社として業容を拡大してきた。


両社は2009年に合併(存続会社は高千穂電気)し、社名をエレマテック株式会社へと改めた。
事業領域はともに電子材料主体でありながら、東京と京都で地理的補完関係を生かして成長を続けてきた。
2011年度にTOBによって豊田通商の子会社となり、現在に至っている。


同社は2018年3月期末現在、連結ベースで社員数1,179名を抱え、国内外に62拠点を擁している。
地域別セグメント売上構成比は、日本54.9%、中国(香港含む)23.1%、その他アジア(台湾・韓国・インド・東南アジア)17.1%、欧米(米国・メキシコ・チェコ)4.9%となっている。



多数の商材と顧客を有し、それらを“5つのサービス・機能”で有機的につないで、最終的に業績に落とし込む力が同社の強み
2. 同社の特長と強み
同社の特長としてまず挙げられるのは、多数の取引先と商材を抱える点だ。
同社は国内外に62拠点を擁し、仕入先(メーカー)約7,200社、販売先(ユーザー)約6,100社との間で、電子材料や電子部品を中心とする広範囲で多様な商材の取引を行っている。
2つ目の特長は、成長市場への機敏な適応力だ。
これら2つの特長が結び付いて、同社の最大の特長ともいえる、“業績の安定成長性”や“高い業績安定性”の実現につながっているというのが弊社の理解だ。


しかし、これらの背後には、多数の商材や顧客網を顧客ニーズにマッチングさせることができる機能や仕組みがあるということが何よりも重要だ。


同社が提供しているのは、最適な部材の供給、信用供与・ファイナンス、納期・在庫の管理といったエレクトロニクス商社としてのベーシックなサービス・機能だけではない。
加工サービス、調達代行サービスなど、より高度で付加価値の高いサービス・機能も提供している。
同社は5つのサービス・機能を掲げているが、こうした機能があるからこそ、多様な商材をビジネスにつなげ、業績に落とし込むことができているということだ。


同社が掲げる5つの機能はそれぞれ重要だが、なかでも同社を特徴付けるものとしては、加工サービス機能や企画開発機能が挙げられる。
また、後述する成長戦略との関係では海外ネットワーク機能も重要なポイントと言える。


(1) 加工サービス機能
同社は商社であり、取引先であるメーカーとの競合を避ける姿勢は一貫している。
しかしその一方で、顧客(販売先)から加工した形での納品を求められることも多い。
そうしたニーズに応えるために同社は、国内1ヶ所と海外(中国)2ヶ所の加工拠点を設けている。


国内では横浜市のエレマテックロジサーブ(株)が電気材料等の加工及び製造や、各種受入検査、環境関連物質測定などのサービスを提供している。
また海外では、依摩泰電子(大連)有限公司において電子回路基板への部品実装等を、依摩泰無錫科技有限公司においてプラスチック板へのシルクスクリーン印刷、切削加工、組立て等を、それぞれ行っている。


同社が有する新製品開発情報や最新技術動向などの情報をもとに企画設計されたカスタマイズ品を提供する状況になって初めて同社が付加価値を生み出し、収益性も上げていくことができる。


同社が目指す“モジュール化”はこういったことを指している。
モジュール化の推進は、後述する企画開発機能の推進と重なるところが多い。
企画開発機能がワークして商談がまとまれば、おのずと同社にモジュール化の取引が発生するという関係だ。


同社のモジュール化ビジネスは、必ずしも自社加工拠点での製造・加工にこだわるものではない。
しかし、やはり自社で加工・製造の技術を保有したうえで外注することのメリットは大きいと考えている。
加工サービスで経験・技術を蓄積して、自社加工拠点でのモジュール加工への展開を期待したい。


(2) 企画開発機能
企画開発の業務は顧客のニーズを的確に把握することからスタートする。
顧客のエレクトロニクス、メカトロニクス、外装、デザインなど多岐にわたる様々なニーズに対して、同社は国内外7,200社の仕入先の中から最適な商材を探索し、あるいはニーズに見合う製品を企画(場合によっては製品の試作も)し、顧客に提案していくのがこの業務の基本的な流れだ。


この業務においてはニーズの“把握力”と、ニーズの“実現力”の2つが必要となる。
この2つを兼ね備えたライバル企業も決して多くはなく、この機能もまた、他社との差別化要因となっていると考えられる。
また、同社の企画・設計に基づく新製品が採用されることは、顧客企業にとって同社がオンリーワンの存在になったことを意味し、顧客との取引関係強化という点で非常に有効だと考えられる。
また前述のように、そうした新製品については同社がモジュール化の加工を行って納入することになり、同社としては収益性の高いビジネスとなると期待される。
このような企画開発業務は、後述する付加価値創造の取り組みと、内容においてほぼ重なっている。


同社は前述の5つの機能をフル活用して付加価値を顧客に提供し、それによって顧客からの信頼を勝ち取り、自己を顧客にとってなくてはならない存在とすることにつなげている。
顧客と強固な信頼関係を構築できる背景には、取引先と商材の多種多様さが大きく貢献していると弊社では考えている。
ニワトリか卵かのような関係になるが、商材・顧客の多様性と、顧客に付加価値を提供できる組織体制が“正の循環”となっている点が同社の最大の強みだと弊社では考えている。



成長市場の変遷の波を機敏に捉え、長期にわたる安定成長を実現
3. 安定成長性と業績安定性
同社は過去に、業績面で長期にわたり安定的な成長を実現してきた実績を有している。
これもまた同社の特長の1つと言える。
その間、携帯電話、ゲーム機、液晶テレビ、スマートフォンなど、成長市場や成長商品は顔ぶれが目まぐるしく変化した。
同社はその時々の成長産業・成長市場に対して部材を供給することで、右肩上がりの成長を続けてきた。


同社は、売上高では2016年3月期に、経常利益では2015年3月期に、過去最高を記録しているが、これをもたらしたのはスマートフォンであったことは疑いない。
そのスマートフォン関連の売上高は、ピークの2016年3月期から2018年3月期までの2年間で約300億円減少した。


しかしながら同社の業績は、2017年3月期こそ減収減益となったものの、2018年3月期には増益に転じた。
詳細は後述するが、自動車関連など、(同社にとっての)新たな成長市場・成長ビジネスが育っていることが背景にある。
こうした成長産業の波をうまく捕まえることが可能なのは、前述したように、多数の製品・取引先の存在と、それを有機的にビジネスに結び付けられる同社の組織としての強さだと弊社では考えている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

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