[北京/上海 13日 ロイター] - 中国の国有銀行、中国銀行 (SS:601988) (HK:3988)が販売した原油先物関連の仕組み商品「原油宝」で個人投資家が多額の損失を被った問題で、同行が半数以上の投資家と和解したことが、関係筋の話で分かった。ただ、依然として和解を拒否している投資家もいる。
この金融商品では、原油先物価格が史上初めてマイナスとなったことを受けて、個人投資家などが多額の損失を出した。
ロイターの報道によると、同行は先週、原油先物価格がマイナスになったことに伴う損失を全額肩代わりし、投資元本の最大20%を補償する方針を示した。
損失を被ったすべての投資家がこの提案に応じた場合、同行は60億ー70億元(18億4000万ドル)の費用を負担することになる。
同行はコメントを控えている。
香港のシンクタンク、中国金融派生商品研究所の所長は「現時点で和解率が50%以上に達しているというのは、金融商品を巡る紛争解決としては比較的ペースが早い」と指摘した。
ただ、一部の個人投資家は損失補填額が少なすぎると主張。7万元以上を投資したという大学生はロイターに「もっと良い条件を求めていきたい。20%は少なすぎる。訴訟を起こす以外に選択肢はない」と語った。
関係筋によると、中国銀行は政府を含めた主要株主や規制当局の支援を得て、投資家への補償計画をまとめた。