[ドバイ/ロンドン/リヤド/ワシントン 2日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」は2日の閣僚級会合で、増産ペースを拡大することで合意した。西側諸国の制裁によるロシアの石油生産量落ち込みをサウジアラビアや他の加盟国が補填することになる。
OPECプラスによると、7月の増産枠を日量64万8000バレルに引き上げ、8月も7月と同水準の増産ペースを維持する計画。従来は、9月までの3カ月間、月間で日量43万2000バレル引き上げる計画だった。
米ホワイトハウスは声明で、OPECプラスの決定を歓迎すると表明した。バイデン大統領は近くサウジ訪問を予定している。この訪問で、人権問題やイエメン内戦などを巡って冷え込んだ両国関係の改善を目指す。
ウクライナ戦争が石油市場の逼迫に拍車をかけていることから、バイデン政権はサウジなど湾岸の同盟国を始め、米の制裁下にあるイランやベネズエラに増産を求めている。
しかしアナリストは、サウジとアラブ首長国連邦を除くほとんどのOPEC加盟国がすでに生産能力の限界に達しているため、実際の増産幅は小幅にとどまるとの見方を示す。この報道を受けて、北海ブレント先物は1バレル=117ドル付近に上昇した。
シンクタンク「エナジー・アスペクツ」の共同設立者であるアムリタ・セン氏は、7月から8月にかけての実質的な増産は、日量約130万バレルの予定に対し、日量56万バレル程度にとどまると予想。「この量では、市場の不足分はほとんど改善されないだろう」と述べた。
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