[14日 ロイター] - 米金融大手モルガン・スタンレーの第2・四半期決算(4─6月期)は、利益が30%減少し市場予想を下回った。世界的にM&A(合併・買収)案件などが減少し、投資銀行部門が不振だった。利益が市場予想を下回るのは9四半期ぶり。
ロシアのウクライナ侵攻や原油価格高騰、リセッション(景気後退)懸念を引き起こしている連邦準備理事会(FRB)の利上げが銀行業界に打撃を与えている。
しかし、ジェームズ・ゴーマン最高経営責任者(CEO)は、現在の状況について2008年の金融危機ほど悪くないとし、自社が良好な状態にあると強調した。米国はリセッションに陥る可能性があるものの、深刻なものになる可能性は低いとの見解も示した。
第2・四半期の利益は24億ドル(1株当たり1.39ドル)。前年同期は34億ドル(1株当たり1.85ドル)だった。
金融情報会社リフィニティブのデータによると、アナリスト予想の平均は1株当たり1.53ドルだった。
投資銀行部門の収入は55%減少し、トレーディング収入の8%増を相殺した。
シャロン・イェシャヤ最高財務責任者(CFO)はインタビューで「大規模なM&Aは、価格発見と今後6カ月の間に市場がどう動くかに左右される」と述べた。
ウェルス・マネジメント部門の収入は6%減少。持続的な収益源と期待されるものの、投資銀行部門の低迷を相殺することはできなかった。
純収入は11%減少。株式・債券の引き受けによる収入もそれぞれ86%、49%減少した。
ローガン・キャピタル・マネジメントのリードポートフォリオマネージャー、クリス・オキーフ氏は「リセッション懸念で助言業務や株式引受業務が不振になっても驚きはない。顧客は『FRBと戦うな』という古い格言に耳を傾けている」と語った。
モルガンSはまた、未承認の個人用機器の使用と記録保持要件に関連した規制上の問題に絡み、2億ドルの費用を計上した。
貸倒引当金は1億0100万ドル。前年同期は7300万ドルだった。
同社の株価は年初来約24%下落している。