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東京外為市場・15時=ドル81円前半、ユーロ/ドルがストップロス巻き込み急落

発行済 2010-11-08 15:48

        ドル/円   ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 81.22/26  1.3949/53  113.33/36

正午現在   81.22/23  1.3951/54  113.30/37

午前9時現在 81.15/17  1.4074/76  114.19/26

NY17時現在 81.27/31  1.4031/37  114.00/06

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 [東京 8日 ロイター] 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場の午後5時時点

とほぼ同じ81円前半で推移している。ドル/円単体に大きな材料がなく、ユーロ/ドル

を中心に進むドル売りポジションの買い戻しの流れをにらみながら81円前半でもみあっ

た。ユーロ/ドルは調整地合いのなかをストップロスを巻き込み、一時はきょうの高値か

ら150ポイントを超える急落となった。

金曜欧州時間から強まったユーロ/ドルを中心とするドル買い戻しの流れを、予想を上

振れた10月の米雇用統計が支援。「米雇用統計は先行きの米金融緩和拡大を示唆するも

のにならなかった」(日興コーディアル証券為替ストラテジスト、松本圭史氏)ことから、

積み上がったドル売りポジションの調整が先行した。さらに、欧州周辺国国債の利回り上

昇を受けて「ユーロのソブリンリスクが意識される」(セントラル短資FX執行役員、武

田明久氏)こともあり、きょうの東京市場の午前にかけてユーロ/ドルでのドル買い戻し

の動きが続いた。

 ポジション調整地合いのなかで、ユーロは1.4000ドル付近と1.3950ドル付

近にあったとみられるストップロスを巻き込み、1.3919ドルまで急落。きょうアジ

ア時間の高値(1.4085ドル)からは150ポイント以上調整したことで、「いった

ん下げ切った」(大手銀行)としてその後は下げ渋った。「あとは欧州勢の出方待ち」

(大手銀行)という。

 ドル/円は「ユーロ/ドルを中心とするドル買いの流れにあとから追随した」(セント

ラル短資、武田氏)主体性のない相場展開。米雇用統計発表直後に81.48円までドル

が買い戻されたあとは上値が重くなり、東京市場でも81円前半でもみあった。ユーロ/

ドルがストップロスを巻き込んで急落していく過程では、ドル/円にもドル買いが波及し、

81.44円まで買われたが、一方でユーロ/円も急落したことからまもなく上値が重く

なった。

 <G20後の新興国の介入強化によるドル買い戻しシナリオ>

 ドイツや中国からは米金融緩和を背景とするドル安に対して懸念の声が強まっているが、

市場では「米国提案の経常収支の数値目標では両国がターゲットになるため、逆にドル安

を問題視する形で反撃している」(大手銀行)と受け止められている。

 今週後半には20カ国・地域(G20)首脳会議が控えているが「米国は、人民元切り

上げをめぐって米国とその他の国々が中国に対峙(たいじ)する形を作る予定だった。し

かし、今は逆に中国とその他の国々が米国と対峙する形になっている。これまで『政治的

にはドル売り』だったが、今は逆に『政治的にはドル買い』に転じている」(大手銀行)

という。

 この結果「人民元をにらんだ介入批判がトーンダウンしている。ドル安懸念と人民元安

懸念がすれ違って何も決まらない場合、結果的に介入に強い批判が出ず、新興国が介入ス

タンスを強める可能性がある」(大手銀行)という。

 市場は現在、ドルショートが積み上がるなかで、米金融緩和を受けてさらにドルを売り

進めるのか、ユーロのソブリンリスクや年末のドルのリパトリをにらんでドルを買い戻す

のかの分岐点に立っている。

 「こういう時は、ちょっとしたきっかけで動きが出やすい。介入による新興国通貨売り

/ドル買いが強まった場合、ドル買い戻しの動きが主要国通貨にも広がる可能性がある」

(大手銀行)という。

 このときはドル/円についても「日本政府が介入しやすいムードができ、短期筋が警戒

感から下攻めしにくくなるのではないか」(大手銀行)と予想されている。

 

 <ソブリンリスクにらみECB無制限オペの帰すうに注目>

 市場では、ユーロの高値警戒感を裏打ちする欧州周辺国のソブリンリスクにじわじわと

注目が集まっている。ギリシャ国債10年物の対独スプレッドは、地方選

挙を控えた前週末、9月21日以来の927bpまで拡大した。アイルランド国債

、ポルトガル国債利回りは上げ一服となったが、ECBがア

イルランド国債、および小額のポルトガル国債とギリシャ国債を買い入れたことが影響し

たもよう。

 市場では、欧州中銀(ECB)が、出口戦略と周辺国のソブリン問題の折り合いをどう

つけていくのかに注目が集まっている。トリシェ総裁はECBの政策運営に関して、銀行

に対する無制限の資金供給オペを含む緊急支援措置の段階的な解除の継続が可能かどうか

について、12月に決定する方針を示した。ただ、ソブリン問題と金融システム問題がか

らみあうなかで「ECBから銀行に対する資金供給のパイプを絞ることはリスクがある。

ECBの対応は慎重なものになるだろう」(日興コーディアル証券為替ストラテジスト、

松本圭史氏)との声が出ている。トリシェ総裁は「ECBは、必ずしもすべての非伝統的

支援措置を解除することなく、政策金利を変更することができる」と述べており、政策金

利と、銀行への潤沢な供給を可能にする無制限オペを切り離す可能性も示唆している。

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