[リヤド 26日 ロイター] - サウジアラビア国営石油サウジアラムコは26日、世界的なエネルギー移行の支援を目的とする15億ドル規模の投資ファンド「アラムコ・サステナビリティ-・ファンド」を設立したと発表した。開催中の国際投資会議「フューチャー・インベストメント・イニシアチブ(FII)」でアラムコのアミン・ナセル最高経営責任者(CEO)が明らかにした。
傘下のアラムコ・ベンチャーズが運営する。当初は二酸化炭素(CO2)回収・貯留、温室効果ガス排出量削減、水素やアンモニア、合成燃料などの分野での国際的な案件を投資対象とする。
アルジャダーン財務相は同会議で世界のエネルギー移行について、考え方がより現実的になってきていると評価。実際の移行には約30年かかる可能性がある以上、エネルギー供給確保の面で従来型資源が引き続き重要だと認識されるようになったと指摘した。「われわれは(中東で)従来型エネルギーに多く投資をすると同時に、気候変動対策にも投資をしている」と語った。
ナセル氏も「現在のエネルギー移行計画は正直に言って欠陥があり、成果を上げていない。われわれが必要とするのは最適化され、現実的な移行計画だ。われわれは現在、増大を続けるエネルギー需要の重荷を背負う準備は代替エネルギーにはできていないことを認めることが必要で、その態勢が整うまで(従来型エネルギー開発を)並行的に進めていくことが不可欠だ」と主張した。
これと別にサウジ政府系ファンドのパブリック・インベストメント・ファンド(PIF)は同日、エジプトの投資子会社に続き、ヨルダンやバーレーン、スーダン、イラク、オマーンにも地域投資会社を立ち上げたと発表した。6社合わせてインフラや不動産、鉱業、ヘルスケア、農業、工業、ハイテクなどのセクターで、最大240億ドルの投資を目指すという。