[ロンドン 27日 ロイター] - 英石油大手シェルが27日発表した第3・四半期決算は、調整後利益が94億5000万ドルで、過去最高だった第2・四半期から縮小した。精製部門とガス取引部門の不振が響いた。
同社がまとめた市場予想の平均(90億ドル)はわずかに上回った。前四半期は過去最高の115億ドル。前年同期は41億ドルだった。
自社株買いプログラムも延長し、今後3カ月で40億ドルの自社株を購入する。
第4・四半期に15%の増配を実施する意向も示した。
今年現時点までの利益は305億ドルとなり、通年では過去最高だった2008年の310億ドルを上回る可能性が高い。
家計がガスや電気料金の高騰に苦しむ中、英や欧州連合(EU)でエネルギー会社の余剰利益への課税強化を求める声が強まりそうだ。
シェルの株価は年初来で40%超上昇。きょうは0806GMT(日本時間午後5時06分)現在、約4%高で推移している。
シェルによると、ガス取引部門は「供給制約など」が圧迫。精製・化学・石油取引部門はマージン低下により62%の減益となった。
第3・四半期のキャッシュフローは125億ドルと、前四半期の186億ドルから急減。欧州のガス在庫の評価額変更の結果、42億ドルの運転資本が流出した。