[モスクワ/国連 12日 ロイター] - ロシア大統領府は12日、ウクライナ産穀物を黒海の港から安全に輸出するための合意について、ロシア自体の穀物輸出がなお制限されているため、5月18日の期限を延長できる公算は大きくないと警鐘を鳴らした。
大統領府のペスコフ報道官は記者団に対し、「いかなる合意も片脚だけではなく、両脚でなければ立てない」と発言。「(延長の)見通しは明るくない」と述べた。
合意は昨年7月、国連とトルコの仲介によって成立し、ロシアのウクライナ侵攻による世界的な食料不足の解消に役立っている。
期限を迎えた3月、ロシアは5月18日まで60日間だけの延長に合意。さらなる延長を検討する条件として、ロシア農業銀行によるSWIFT(国際銀行間通信協会)への加盟復帰、保険利用の制限解除など、ロシアの穀物輸出に関連する要求を複数掲げた。
国連のデュジャリック報道官は同日、ロシア側の要求についての進捗(ちょく)状況を問われ、グテレス国連事務総長はSWIFTや保険会社、2国間制裁に関して権限を持っていないと指摘。国連としては全体をまとめるために粘り強く尽力していると述べた。