Devjyot Ghoshal Panu Wongcha-um
[バンコク 24日 ロイター] - タイで2026年にも同国南部の鉱山からのリチウム産出を開始する構想が浮上している。政府や関連企業の関係者が明らかにした。タイは東南アジアでの電気自動車(EV)の生産工場の集積地を形成することを狙っており、その弾みになると期待されている。
リチウムはEVに欠かせないバッテリーの重要資源で、現在はオーストラリアやアルゼンチン、チリ、中国が主要な供給元になっている。
鉱山会社のパン・アジア・メタルズがパンガー県のプロジェクトに関し、鉱山2カ所の採掘許可取得に向けて3月に申請する準備をしている。同社幹部は26年初めにリチウムの産出を開始することを「楽観視している」と話した。
タイ当局は一つ目の鉱山について、EVのバッテリーとして利用できる炭酸リチウムが16万4500トン採掘できると試算し、100万台のEV向けの供給を賄える計算になると説明している。
パン・アジア・メタルズが開発するもう一つの鉱山では、さらに10─70%多いリチウムの埋蔵量を見込んでいる。
東南アジアで最大の自動車生産国で輸出国であるタイは、30年までに年間生産車の3割をEVにしたい考えだ。政府機関「タイ投資委員会」のナリト事務総長は、これまでに38件で合計236億バーツ(約970億円)のバッテリー生産に関する投資計画に対してタイ政府が支援していると明かし、「われわれの目標は、EVや省エネに役立つバッテリー生産の集積地にタイがなることだ」と話した。