[ジュネーブ 16日 ロイター] - 世界貿易機関(WTO)のオコンジョイウェアラ事務局長は16日、アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビで26─29日に開催される閣僚会議について、各国で実施される選挙やリセッション(景気後退)、ウクライナとガザ地区における戦闘といった要因を考慮すると、交渉は難航が予想され、合意に至るのは「容易ではない」との認識を示した。
閣僚会議は、懸案となっている紛争処理制度の改革や漁業補助金の削減などについて合意を目指す。
オコンジョイウェアラ氏はジュネーブで記者団に対し「会議が難しい局面で開かれるため、交渉は多少厳しいものになるだろう。われわれは多くの経済・政治的逆風に直面しており、容易ではないことは分かるだろう」と述べた。
同氏は交渉を難しくする問題の一つに、多くの加盟国が選挙を控えている点を挙げ、選挙は人々の交渉方法に影響を及ぼすと指摘した。
トランプ前米大統領は、大統領在任中に中国に貿易戦争を仕掛け、WTOの貿易紛争解決を妨害した上、脱退をちらつかせた経緯がある。
トランプ氏の大統領復帰の可能性にどのように備えるのかとの質問に、オコンジョイウェアラ氏は、WTOの強化を続けるとともに、WTOにとどまることが重要な理由を示していくと返答した。