[北京 １８日 ロイター] - 中国国家統計局が１８日公表した１─２月の粗鋼生産量は前年同期比１．６％増の１億６７９６万トンだった。多くのメーカーがメンテナンス作業を実施する需要低迷期に当たるため、市場は減少すると予想していた。
２０２３年３月に発表された統計局データによると、同年１─２月の粗鋼生産量は１億６８７０万トンだった。これと比較すると今回の数字は前年比で生産減を示しているが、アナリストによると、２３年１─２月のデータが下方改定された可能性がある。
統計局はデータ改定の詳細を明らかにしておらず、ロイターのコメント要請にも回答しなかった。
公式データに基づくロイターの算出によると、１日平均では約２８０万トンの生産量。２３年１２月は２１８万トン、２３年１─２月は２８６万トンだった。
証券会社ＦＩＳの上海駐在アナリスト、ペイ・ハオ氏は「前年比の増加には驚かされた。しかし、旧正月休暇後の鉄鋼需要の回復が予想よりも大幅に遅れ、いくつかの製鋼所が生産再開を延期したため、１日平均生産の減少はわれわれの予想と一致した」と述べた。
アナリストらによると、１月と２月の鉄鋼輸出が好調だったことで一部製鋼所の稼働率が比較的高くなり、生産量の前年比増につながった可能性もある。
１─２月の生産増は需要の低迷と相まって、鉄鋼在庫の拡大と鉄鋼価格の下落につながった。
アナリストは３月の生産減少を予測。複数の製鋼所が在庫にかかる損失や価格下落のために生産を削減していると明らかにしたという。