市場参加者が9月の米金利引き下げの可能性を予想していることから、金価格は本日小幅上昇し、水曜日に記録した過去最高値に近い水準を維持した。スポット金は取引時間前半に0.1%上昇し、1オンスあたり2461.27ドルとなった。前日には史上最高値の2483.60ドルを記録していた。一方、米国金先物は0.2％上昇し2,465.00ドルとなった。
スプロット・アセット・マネジメントのシニア・ポートフォリオ・マネージャーは、金価格高騰の要因についてコメントした。彼は、金利の低下と今後の米国の選挙が、金を2,500ドル以上に押し上げる可能性があると指摘した。また、5月以降、ETF内の金の保有量が増加していることも確認されており、特に金融アドバイザーや機関投資家からの需要が復活していることを示唆している。
通常、利回りの低い金の魅力を高める金利低下への期待は、連邦準備制度理事会（FRB）高官の発言によってさらに後押しされた。クリストファー・ウォーラーFRB総裁とジョン・ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁は、金融緩和政策へのシフトを示唆した。さらに、リッチモンド連銀のトーマス・バーキン総裁は、インフレ率の広範な低下について楽観的な見方を示した。
CMEのFedWatchツールによると、市場の予想は9月の連邦準備制度理事会（FRB）で25ベーシスポイントの引き下げに傾いている。これは、米連邦準備制度理事会（FRB）が5月下旬から7月上旬にかけて米経済活動の伸びが小幅にとどまり、今後減速するとの見通しを示した調査結果を受けたもの。
シティ・リサーチは貴金属市場の見通しを示し、米選挙の結果にかかわらず、金は今後6～12カ月以内に2700～3000ドルに達する可能性があり、銀は38ドルまで上昇する可能性があると予測した。
金だけでなく、他の貴金属も市場で動きを見せた。スポット銀は0.2%上昇の30.35ドル、プラチナは994.81ドルと横ばい、パラジウムは0.4%上昇の955.77ドルとなった。投資家は、特に米国と中国の間の潜在的な世界貿易摩擦に直面して、株式と為替エクスポージャーをヘッジすることを検討しており、貴金属への関心をさらに煽る可能性がある。
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