[3日 ロイター] - 欧州連合(EU)は、制裁対象のロシア農業銀行が子会社を創設して国際金融ネットワークに再接続することを認める案について検討している。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が3日に報じた。
ロシア政府に態度の軟化を促し、ウクライナ産穀物の黒海経由の輸出合意を存続させる狙いがあるという。
国連が仲介した交渉でロシアが示した提案によると、この子会社が穀物輸出に関する決済を取り扱う。ロシアの主要銀行は昨年のウクライナ侵攻開始後に国際送金・決済システムのSWIFT(国際銀行間通信協会)から締め出されたが、当該の子会社にはアクセスを認める内容だという。
ロシアはSWIFTへの再接続に加え、農業機械・部品の供給再開、保険・再保険の制限解除も求めている。
FTの報道を受けてウクライナのクレバ外相は、EUが何らかの決定を下した場合、ウクライナは強く反発すると国営放送局に述べた。ただ、今のところ具体的なことは何も決まっていないと明かした。
「穀物回廊を維持するためにロシアに譲歩すべきではない」とし、義務を果たすべきなのはロシア側だと指摘した。