[ニューヨーク 27日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では主要通貨に対するドル指数が下落。朝方発表された一連の米指標は米経済が底堅く、景気後退に近づいていない可能性を示唆した。一方、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁の発言を受け、ユーロは上昇した。
5月の米耐久財受注統計で民間設備投資の先行指標とされるコア資本財(非国防資本財から航空機を除く)の受注が予想外に増加したことを受け、ドルの下げに拍車がかかった。
ただ、その後発表された6月のCB消費者信頼感指数が約1年半ぶりの高水準となったことで、ドルは下げを小幅縮小した。
また、5月の新築一戸建て住宅販売戸数は1年3カ月ぶりの高水準となり、住宅市場が米連邦準備理事会(FRB)の利上げの影響を乗り切っている様子を示唆した。
FXストリート・ドット・コムのシニアアナリスト、ジョセフ・トレビサーニ氏は、歴史的なモデルに反し「リセッションが差し迫っていることを示す兆候はなく、統計にも表れていない」と指摘した。
終盤の取引で、ドル指数は0.234%安の102.49。
円は対ドルで0.36%安の144.02円と、昨年11月10日以来の安値に沈んだ。
鈴木俊一財務相は27日、足元の円安に関し「急速で、一方的な動きもみられる」と指摘。「行き過ぎた動きには適切に対応する」と強調した。
また、モルガン・スタンレーは、FRBが7月会合で0.25%ポイントの利上げを実施するという見通しを示した。
ユーロは対ドルで0.49%高の1.0957ドル。ラガルドECB総裁がユーロ圏のインフレは新たな段階に入り長く続く可能性があるとして、ECBは利上げ打ち止めを宣言せず引き締め政策を維持する必要があるとの見解を示したことを受け、ユーロは一時22日以来の高値となる1.0976ドルまで上昇した。
ユーロは対円で0.84%高の157.83円。
英ポンドは0.26%高の1.2745ドル。
28日にはパウエルFRB議長、ベイリー英中銀総裁、上田和男・日銀総裁がラガルドECB総裁ともにECBフォーラムで発言する。
ドル/円 NY終値 144.07/144.08
始値 143.73
高値 144.19
安値 143.31
ユーロ/ドル NY終値 1.0959/1.0963
始値 1.0950
高値 1.0976
安値 1.0943