[フランクフルト 21日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのクノット・オランダ中銀総裁は21日、新型コロナウイルス感染拡大による危機で深刻な影響を受けているユーロ加盟国に対し、欧州全体として対応する必要があるとの考えを示した。
クノット総裁はダンスケバンクが主催したオンラインセミナーで、「最も大きな影響を受けている国に対し、欧州全体として対応する必要がある。このほど発表された政策措置は正しい方向に向けた動きだが、今回の危機は一夜にして解決する種類のものではない」と述べた。
欧州では新型ウイルス対策を取りまとめる作業が続けられているが、財源確保を巡り、南欧諸国が共同の資金調達を主張する一方、財政が豊かな北部諸国は各国が独自に資金を調達するほうが望ましいとの見解を示している。
クノット総裁は、金利が低水準にとどまれば債務は持続可能と指摘。回復期には中銀の金融政策が重要な役割を果たし続ける必要があると述べた。同時に政治的要因が絡む各国の借入コスト上昇に対し、ECBの対応には限界があると強調した。
イタリア10年債利回り (IT10YT=RR)はこの日2.16%と、ECBのコロナ向け緊急買取プログラム(PEPP)発表前の水準に上昇した。
*内容を追加しました。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20200421T170843+0000