[28日 ロイター] - 英製薬アストラゼネカ (L:AZN)のソリオ最高経営責任者(CEO)は28日、オックスフォード大学と共同開発する新型コロナウイルスのワクチン候補について、被験者を意図的にウイルスに感染させることは時期尚早としつつも、試験が暗礁に乗り上げれば、選択肢になり得るとの認識を示した。
アストラゼネカは先週、第2および第3相の臨床試験を開始。成人と子ども約1万人の被験者を英国内で募集した。
ソリオCEOは欧州で新型コロナ感染者が減少していることに言及し、感染が極度に弱まれば試験が困難になると指摘。被験者を意図的にウイルスに感染させる試験を「検討する必要が生じる可能性はあるが、現段階では時期尚早と感じている」と述べた。
さらに、オックスフォード大のチームが4月に開始した初期臨床試験の一部暫定結果が出てきており、「間もなく公表される」と述べた。
アストラゼネカはまた、新型コロナワクチン候補の生産能力増強に向け、細胞治療を手掛ける英オックスフォード・バイオメディカ (L:OXB)との提携を発表した。
オックスフォード・バイオメディカによると、両社は新型コロナワクチン候補の臨床試験・販売に関する1年契約を締結。大半の生産は年内に行われる。
米厚生省は先週、アストラゼネカに最大12億ドルの資金援助を提供し、新型コロナワクチン候補3億回分を確保すると発表した。