[ロンドン 30日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のチーフエコノミスト、ハルデーン理事は30日、新型コロナウイルス感染拡大抑制措置による影響から英経済がV字型回復を遂げつつある兆候が示されていると述べた。ただ失業が根強く高止まりするリスクはなお存在していると警戒感も示した。
ハルデーン理事はオンライン形式で実施した講演で「まだ初期の段階にあるが、これまでの状況を踏まえると、自分自身の考えではV(字型)だ」と述べた。
その上で、英経済、および世界経済を巡り、企業調査などでは「どの主流のマクロ経済的な予測よりも早期、かつ速い回復」が示唆されていると指摘。ただ経済見通しに対するリスクは大きく、かつ2面性があるとし、「リスクに対する自分自身の見方は5月時点と比べるとより均衡しているが、なお下向きに傾いている」と語った。
講演後の質疑応答では、英経済にとって必要なら英中銀が一段の刺激策を導入する可能性を排除しないと述べた。
英中銀は18日の金融政策委員会で債券買い取り枠を1000億ポンド拡大し7450億ポンドとすることを決定。ハルデーン理事のみがこれに反対票を投じた。