[ロンドン 23日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会のハスケル委員は、英経済の新型コロナウイルス危機からの回復が遅れる可能性を懸念しており、それは人々が外出しても安全だと確信するかに大きく左右されると述べた。
インペリアル・カレッジ・ビジネス・スクール主催の講演で、失業率が2008─09年の金融危機時よりも悪化する可能性があると指摘。「経済が『行き詰まり』、回復が遅れ、インフレ目標を下回ることを懸念している」と語った。
また英国は他国に比べ、パブやレストランでの消費意欲が低いもようとし、グーグルの検索データではロックダウン(都市封鎖)措置の早期解除と消費者の警戒感とに相関関係が示されたと言及。「回復の道筋は感染症への懸念のほか、感染者の追跡や店舗でのスクリーン設置など官民で実施されている感染症対策に大きく左右される」とした。
さらに「経済活動の低下や企業運営における制約、倒産などは労働需要の低下につながる」とし、失業率の上昇も回復の障害となる可能性が高いとした。