[30日 ロイター] - トランプ米政権は、新型コロナウイルスのワクチン接種を国民に呼びかける大規模なキャンペーンを11月までに実施することを想定している。年末前後までのワクチン実用化のめどが立つことが前提となる。政権高官が記者会見で明らかにした。
キャンペーン開始から実際にワクチン接種を受けられるまでの期間を短くするため、キャンペーンは4─6週間程度の短期間に集中して行う可能性が高いという。
高官は「ワクチンに対する国民の期待を高めておいて期待を裏切るか、大量のワクチンを用意したのにそれほど多くの人が接種を希望しないか、という微妙なバランスを取る必要がある」と述べた。
その上で「8月、9月にはメディアでワクチン接種の推奨をさほど耳にしないかもしれないが、11月までにはそうした情報で圧倒されるだろう」と述べた。
ただ、実際にワクチン接種が可能になる時期は依然不透明だとして慎重な姿勢も示し、早ければ10月かもしれないし、来年1月になる可能性もあるとした。
米製薬大手のファイザー (N:PFE)とモデルナ (O:MRNA)は27日、それぞれ3万人を対象とした新型コロナワクチンの臨床試験(治験)開始を発表した。有効性が確認されれば、年内の承認・供給に道が開かれる可能性がある。
英オックスフォード大学とワクチンを共同開発するアストラゼネカ (L:AZN)は、米国でこの夏に大規模治験を開始する方針を示している。