[東京 1日 ロイター] - 出入国在留管理庁は、新型コロナウイルスの影響で帰国が困難になっている在留外国人が生計を維持するため、就労資格がない人でも一時的に働けるようにする措置を1日から実施すると発表した。
コロナウイルスの感染拡大防止で多くの国が入国制限を行っているなか、観光や商用などで日本を訪れた外国人が母国に帰れず、生活が困窮するケースが増えている。
今回の措置により、地域の出入国管理局に申請書を提出すれば、短期滞在(90日以内)で在留する外国人は週28時間以内のアルバイトが可能となるほか、技能実習で在留している外国人は、「特定活動」での就労が可能となる。
出入国管理庁では新たな措置について、SNSなどで在留外国人に周知を図るとしている。実施期間は未定で、「今後の状況による」という。
入管法に詳しく在留外国人を支援している児玉晃一弁護士はこの措置について「ないよりはいいが、全く不十分」だと指摘する。健康保険や生活保護などの対象とはならない上、多くの日本人が解雇されたり飲食店が廃業するなか、外国人が仕事を見つけることは困難だと同氏は述べる。
また、元入管職員で行政書士の木下洋一氏は「帰国できない外国人が働けず、滞在費もかさむため、入管としてはこうせざるを得なかったのだろうが、遅すぎた。すでに一部の国では入国規制が緩和されている。もっと早くこうした措置をとるべきだった」との見方を示した。
(宮崎亜巳)