[ワシントン 27日 ロイター] - 米下院は1兆9000億ドル規模の新型コロナウイルス対策法案を27日未明に可決した。1月に就任したバイデン大統領にとって法案審議を巡る最初の勝利となったが、民主党が求めていた最低時給の引き上げが盛り込まれ、上院では難航するとみられている
法案は民主党と共和党の議員数の219対212で可決。上院に送付された。民主と共和の議席が同数の上院だが、民主党は上院でも共和党からの支持なしで可決できるよう対策を講じている。
法案にはコロナワクチンや医療機器への支援のほか、1人当たり1400ドルの個人向け一時金や、週400ドルの失業保険を8月末まで支給することなど、家計への支援策も盛り込まれている。共和党は対策の多くは必要なく、コロナ対策への直接支援は少ないなどとして反対の姿勢を示していた。
民主党は3月中旬までの成立を目指しているが、最低時給引き上げを巡る審議が難航しそうで、修正を迫られる可能性がある。法案では2009年以来据え置かれていた最低時給を7.25ドルから15ドルに引き上げた。
上院での法案可決には60票以上の賛成が必要だが、民主党は過半数で通過する特別措置を使う方針。上院における民主と共和の議席数は50ずつで拮抗しており、採決で同数となった場合、上院議長を兼務するカマラ・ハリス副大統領が決裁票を投じる。
しかし上院の規定では、時給引き上げは民主党の単独過半数では可決できないとの見方が専門家から示されている。また時給引き上げには民主党の2上院議員も反対だ。
上院では15ドルではなく10ー12ドル程度への引き上げ案がでているほか、自主的に時給15ドルを認めない大企業には制裁を科す案も民主党からは出ている。