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英公的部門借り入れ、4月はコロナ流行後で初めて前年下回る

発行済 2021-05-25 16:09
更新済 2021-05-25 18:36

[ロンドン 25日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が25日発表した4月の公的部門借り入れ(国有銀行を除く)は316億9600万ポンド(449億3000万ドル)だった。

新型コロナウイルス流行の影響が最初に完全に反映された前年同月の473億1500万ポンドを下回った。

借り入れが前年同月比で減るのは、新型コロナ流行後で初めてだが、4月の借り入れは通常の水準を依然として大きく上回っている。

ロイターがまとめた市場予想は309億ポンドだった。

英政府は過去1年間、新型コロナ感染対策や労働者向けの給与補填措置などに多額の資金を投入した。

昨年度(4月ー3月)の借り入れは3003億ポンドで、国内総生産(GDP)比14.3%。平時としては過去最大となった。

政府は3月、今年度の借り入れがGDP比で10.3%に減少すると予想している。

スナク財務相はONSの発表を受けて「予算には中期的に債務を抑制し財政を持続可能にするための措置を盛り込んだ。しかしパンデミック(世界的大流行)からの力強い景気回復を推進することにも注力する必要がある」と述べた。

4月の公的部門純債務残高は2兆1710億ポンドだった。GDP比では98.5%と1962年以来の高水準となった。ただ現在は金利が大幅に低いため、国債費や債務水準を引き下げる緊急性は高まっていない。

キャピタル・エコノミクスの英国担当シニアエコノミスト、ルース・グレゴリー氏は「財政状況は、わずか2カ月前の英予算責任局(OBR)の予測ほど悪くない。多くの人が懸念している増税と歳出削減を回避できるかもしれないとの当社の見解を裏付ける内容となった」と述べた。

KPMGによると、4月の法人税収は1年ぶりの低水準となった。設備投資額の130%相当を税額控除する期間限定の「スーパー控除」が影響したという。

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