[ロンドン 30日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のチーフエコノミスト、ギータ・ゴピナート氏は30日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)からの回復過程について、ワクチンへのアクセスが不平等なため、世界的に一様ではないとし、特に感染力が強い「デルタ株」が拡大している地域では基礎医療用品も十分に行き渡っていないと警戒感を示した。
ゴピナート氏は欧州復興開発銀行(EBRD)年次会合のオンラインセミナーで「現在、ワクチン、治療薬、診断キットへのアクセスが極めて不平等になっている。このために回復に差が出ている」と語った。
その上で「世界中で望ましいワクチン接種率を達成することが最重要事項となっている」と指摘。サハラ砂漠以南の「サブサハラ」アフリカと中南米の感染急拡大に言及し、対応に必要な診断キット、個人用防護具(PPE)、酸素が十分にない国もあると述べた。
世界銀行のチーフエコノミスト、カーメン・ラインハート氏は、一様でない世界的な回復が続く中、多くの国がインフレ圧力の急速な増大に直面していると指摘。ゴピナート氏は「こうしたインフレの要因の大部分その性質からして一過性のもので、 来年には通常の水準に戻ると考える根拠はある」と述べた。