[シドニー 16日 ロイター] - オーストラリアでは新型コロナウイルスワクチンの接種が進む中、行動規制の緩和期待が高まっているが、メルボルンを州都に持つビクトリア州では16日、1日当たりの新規感染者数が今年最多を記録した。
この日確認された感染者は514人で、1日当たりで年初来最多となった13日の473人を上回った。感染者の大半はメルボルンで報告された。
オーストラリアは感染力の強い変異ウイルス「デルタ株」を中心とした新型コロナ第3波の封じ込めに苦戦しており、人口2500万人の半分近くが厳しいロックダウン(都市封鎖)下に置かれている。
ただ、累計の感染者数は約8万人、死者は1128人と状況は他の多くの国ほど深刻ではない。当局はワクチン接種を完了した人がさらに増えれば、来月にも厳しい規制の多くを緩和するとしている。
連邦政府のモリソン首相は首都キャンベラで記者団に対し、「2回の接種を完了した人が70%や80%に達するのは目に見えている」と述べ、国民にさらなる接種を呼び掛けた。
同国では現在、16歳以上の44%がワクチン接種を完了。少なくとも1回の接種を受けた人は69%となっている。
今回の国内感染拡大の震源地であるニューサウスウェールズ(NSW)州はこの日、1351人の新規感染者が確認されたと発表した。前日の1259人から増加した。
また死者も新たに12人報告され、このうち10人がワクチンを接種していなかった。同州の当局者は州民に速やかなワクチン接種を促した。
ビクトリア州の当局者によると、同州では1回目のワクチン接種率が17日に70%に達する見通しで、メルボルンの行動制限などが一部緩和される。
メルボルンは、オーストラリアの都市としては感染流行開始以来最多となる6回目の封鎖下にある。週末にはロックダウンに反対するデモが計画されており、当局は公共交通機関の運行停止や警察官数千人の配備で阻止しようとしている。