[シドニー 17日 ロイター] - モリソン豪首相は17日、最大都市シドニーに到着する一部の入国者を対象に、新型コロナウイルスワクチンを接種済みであれば自宅での隔離を認める試験的な取り組みを実施すると発表した。国内では感染確認が続いているが、国境再開に向けて踏み出す構えだ。
豪州は新型コロナ感染拡大を受けて昨年3月に国境を閉鎖し、入国者を自国民と永住権保有者のみにほぼ限定してきた。また、入国者には自費でホテルにおける2週間の隔離を義務付けている。
モリソン氏は「安全に再開し、安全に開かれた状態を維持する計画の次の一歩だ」と述べ、実証試験によって「コロナとの共生」の基準が打ち立てられる可能性もあると続けた。
試験には居住者、非居住者、豪カンタス航空の乗務員を含む約175人が参加し、シドニーで月内に実施される。参加者は自宅で7日間、自主隔離する。順守状況を監視するため携帯電話のアプリと顔認識技術を使用する。
連邦政府と州政府の首脳は同日中に、ワクチンパスポートや一段の行動制限緩和について協議する。
一方、ビクトリア州がこの日報告した新規感染者は510人で、今年2番目の多さとなった。大半が州都メルボルンで確認された。前日は今年最多の514人だった。
ただ、同州で1回目のワクチン接種率が70%に達したのを受け、メルボルンでは17日夜から集会や移動の制限が一部緩和される。
モリソン氏はワクチン接種完了者の比率が成人人口の70─80%に達すれば、州境を越える移動を含め行動制限を段階的に緩和するよう州と特別地域の当局に訴えてきた。だが、全ての州・地方当局が緩和措置に同意しているわけではない。
モリソン氏によると、16歳以上の人口の70.6%が1回目の接種を済ませている。